真打として、運命共同体のような寄席を目指す。

文:生島 淳

柳亭小痴楽の落語は、シャキシャキっとしている。聴いていて、とても心地がよい。 それはDNAの成せる業なのか。落語家の柳亭痴楽の次男として生まれた小痴楽は、2005年に高校を中退すると、落語界に飛び込む。09年に父を亡くしたが、古典落語にこだわり、二ツ目時代は講談で人気の神田伯山、来年2月に真打昇進を控える桂宮治らとともに「成金」と呼ばれるユニットを結成して人気を博した。小痴楽は、成金メンバーの中で先頭を切って2019年9月に真打に昇進した。 「お披露目の興行期間は、本当に楽しかったですよ。およそ40日間、毎日打ち上げに行きまして……。本当に1日も欠かさず。僕はお披露目を賑やかにやり...

続きを読む