村上春樹の短編を再解釈した韓国映画『バーニング 劇場版』は、カンヌで高い評価を受けた話題作です。

文:細谷美香

村上春樹の短編『納屋を焼く』が、韓国で映画化されました。監督は映画『オアシス』などで知られる名匠、イ・チャンドン。『ポエトリー アグネスの詩』以来8年ぶりの新作となり、『バーニング 劇場版』は既にカンヌ国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞するなど高い評価を得ています。 舞台は現代の韓国。運送会社でアルバイトをしながら小説を書いている主人公・ジョンスが、デパートの店頭で広告モデルをしている幼なじみのヘミと再会をしたことで、幻想と現実が交錯するような奇妙なミステリーが幕を開けます。整形をしたから私のことがわからなかった?と屈託なく言うヘミとジョンスは身体を重ね、ヘミはほどなくして念願だ...

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