日本書紀成立1300年を寿ぐ特別展、『出雲と大和』が伝える古代日本と神話の力。

写真・文:中島良平

養老4(西暦720)年に日本が国家として正式にまとめた最古の歴史書『日本書紀』。その成立1300年を記念する特別展『出雲と大和』が、東京国立博物館 平成館でスタートした。 天武天皇の命で30巻からなる『日本書紀』が編纂された目的は、天皇家の歴史的正当性を明確化し、天皇を中心とする律令国家として国をまとめ上げること。冒頭に記された国譲り神話には、出雲大社の祭神であるオオクニヌシは神々や祭祀の世界を司る「幽」であり、神武天皇が都を定めた大和の地で政治を行う天皇は、現実世界を司る「顕」であると記されている。 この『日本書紀』には出雲が多くの神話の舞台として登場するわけだが、一帯は遺跡など...

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