ワンシーンワンカットで描く、 33の人生を語る映像詩『ホモ・サピエンスの涙』。

文:細谷美香

【Penが選んだ、今月の観るべき1本】 『散歩する惑星』などで知られる、スウェーデンの鬼才、ロイ・アンダーソンの5年ぶりとなる新作。悪夢を見続ける牧師や荒廃した街の上空を飛ぶ男女など、さまざまな人々の姿を、優しい色合いの映像とワンシーンワンカットによる独特のリズムによって映し出していく。呼吸する絵画のような独創的な世界観は唯一無二。スクリーンの端々から滑稽さと愛おしさがにじむ、人生のスケッチ集とも言える作品だ。 「脚本ではなく詩を具現化したかった」。『ホモ・サピエンスの涙』制作の裏側。 セレブ作家トルーマン・カポーティの光と影。 『ミッシング・リンク ...

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