「分かりやすい」アプローチで、世界に対する意識が変わっていく。

文:土田貴宏

私たちは、世界を「分かること」と「分からないこと」の集合体だと思っている。長い歴史の中で、人々はいままでに多くの謎や不思議を解き明かしてきた。一方で、遠く離れた地域の文化や最新のデジタル技術のように、理解しきれない物事も当然ある。こうして「分かる」と「分からない」に二分することで、私たちはすべてを「分かった」つもりになっているのだ。  しかし、「分かる」とも「分からない」とも認識されない領域が、実はこの世界には無限にある。そんな領域にこそ、大切な真理が眠っているのかもしれない。木からリンゴが落ちるという、誰も気に留めなかった現象に、万有引力を発見するカギがあったように。  本書は、...

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