女性R&Bレジェンドの流れを汲む、最新ディーヴァの歌声にひたる。

文:速水健朗

例えば、ビヨンセは単にファンを多くもつ女性歌手ではない。作家のロクサーヌ・ゲイを始め、フェミニストたちは、彼女を「神」と呼ぶ。引退が記憶に新しい安室奈美恵の盛り上がりも宗教的な熱狂そのもの。 女性歌手たちは、現代における信仰の対象。ディーヴァ多神教時代である。 筆者にも信仰対象とする歌手がいる。シャーデー・アデュ。ナイジェリア出身で英国で活動する黒人女性ボーカル。彼女を中心とするグループ、シャーデーには、カルト度の高さを自覚するファンが多い。筆者もその一人。 ファティマは、そんなシャーデーの信者にとって見逃せない存在だ。スウェーデン出身、英国で活動ののち現在、ニューヨークを拠点とする女...

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