「事実」を直視する習慣こそが、世界を希望に導く力を生む。

「世界の人口のうち、極度の貧困層の割合は、過去20年でどう変わったか」。グローバル化で格差が広がり、ずっと増えたようなイメージがあるが、ファクトが示す実像はまったく違う。「約半分にまで減った」が正解だ。世界は少しずつではあるにせよ、確実によくなっている。 本書が提唱するメッセージはきわめてシンプルかつ本質的だ。安直なイメージや劇的なストーリーに振り回されるのではなく、ファクトを忠実に見ていく習慣=ファクトフルネスを実践せよと説く。人が大げさなストーリーに振り回されてしまう理由を、医師で公衆衛生学者でもある著者は「10の思い込み」と呼び、ていねいに分析している。ここでは、分析そのものには...

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