毒殺事件の謎に迫っていく、米法医学界のパイオニアふたり。

20世紀初頭、最もバレにくい暗殺方法は毒殺だった。クロロホルム、ヒ素、水銀、タリウムなどの毒物は、化粧品や農薬などの原料として用いられており、入手が容易。その上、それによって誰かが死に至っても、多くの場合、立証は困難であった。捜査現場に科学の知識をもつ者は皆無で、検死すらまともに行われていなかったのだ。 本書は、ニューヨークで犯罪捜査に尽力したふたりの科学者、チャールズ・ノリスとアレグザンダー・ゲトラーの仕事をつぶさに綴る。毒物が人を死に至らしめる過程を、彼らはどのように解明したのか。ピュリッツァー賞受賞歴のあるサイエンスライターの著者は、禁酒法が成立し、闇酒を売るギャングが跋扈した当...

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