現代アートの美術館とコラボした、メキシコ新鋭による実験小説。

本書は、少し風変わりな小説だ。主人公はハイウェイと呼ばれる男で、長く勤めたジュース工場のこと、オークションでマリリン・モンローの歯を手に入れ、その歯を自らの歯と差し替えたことを語る。彼が競売人となり、最初にオークションにかけたのは、その時に抜いた自分の歯だ。 さらに「小ネズミと大ネズミの着ぐるみ」や「バオバブの盆栽」など、オークションにかけたものを解説するが、話術に長けたハイウェイの話はどれもすぐに買いたくなるほど愉快だ。 最終章では、友人で作家志望の男が、これまで語られなかったハイウェイの人生を解説し、最後に遺書を公開。ひとりの男の物語はここで完結する。 この小説は、あとがきに書かれ...

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