エベレスト登頂中に滑落死した、 若き登山家の心の空洞。

文:今泉愛子

【Penが選んだ、今月の読むべき1冊】 エベレスト登頂に8度目の挑戦中、35歳で滑落死した登山家の栗城史多(くりきのぶかず)。凍傷で指9本を失ってからも「夢は叶う」と言い続けた。映像ディレクターの著者はまず、彼が目指した7大陸単独無酸素登頂の欺瞞を明かす。彼の時間の多くはスポンサー獲得のための営業や講演などが占めていた。登山のネット中継にもこだわったが、彼をそこまで駆り立てたのはなんだったのか。丹念な取材で登山家の心の空洞を解き明かしていく。 西洋絵画で描かれてきた、 危険な香りのモチーフを解説。 老化さえ食い止めれば、 人間の寿命は33年延びる? 多...

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