対照的なアプローチで「性」を捉えた、銀座シャネルの『ピエール セルネ & 春画』展。

文:はろるど

フランスの現代写真と日本の春画とで織り成された異色の展覧会が、銀座のシャネル・ネクサス・ホールで開催中です。 写真の丸窓の先に目を向けて下さい。一方はフランスの写真家、ピエール・セルネによる、個人やカップルの官能的な姿や性行為を撮った写真です。しかし、身体のシルエットの一部を切り取っているため、1人なのか2人なのか、性別さえもわかりません。まるでモノクロの抽象画のようで、唯一の手がかりは『Kaitlin』『Jose & Luis』といった、作品タイトルに表わされる被写体の人物名のみです。もう一方は、江戸時代の春画です。いずれも浦上蒼穹堂・浦上満のコレクションで、鈴木春...

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