マティスからリヒター、藤本壮介まで集う『窓展:窓をめぐるアートと建築の旅』が深い。

文:はろるど

「窓学」なる言葉がある。これは建築だけでなく、文化や美術で表現される窓を多面的に研究するため、「窓は文明であり、文化である。」の思想のもと2013年に設立された、窓研究所が提唱する学問だ。 東京国立近代美術館で開催中のこの『窓展:窓をめぐるアートと建築の旅』では、「窓学」の観点から選定された115点の作品を展示。アンリ・マティスの『待つ』(1921-22年)やピエール・ボナールの『静物、開いた窓、トルーヴィル』(1934年頃)や、奈良原一高の『王国』(1956-58年)など、窓を主要なモチーフとした絵画や写真が並ぶ。 注目は窓と現代美術の関わりだ。アメリカの批評家、ロザリンド・E・...

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