本でしかつくれない彫刻、 その面白さを探求する。

写真の束を切り刻んだ作品により、数年前からアートシーンを騒がせているふたり組、Nerhol(ネルホル)。そのひとり、飯田竜太は本を素材に使う彫刻で知られるアーティストだ。彼の作品には、本の文字をすべて切り抜いたものや、幾何学的なルールでページをカットしたものなどがある。独自の作風の基点には、彫刻を学んだ大学時代の運命的な出来事があった。 「14日連続で毎日1点の作品をつくる課題があり、短時間に満足できるものをつくろうと選んだ素材が本でした。紙は石、金属、木のように加工に時間がかかりません。大学に大量の本が捨てられていて、それを使ったんです」と、飯田さん。 一連の作品に取り組みながら...

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