生き物に宿る不変の命を描いた、グラフィック・デザイナー永井一正。

文・川上典李子(エディター/ジャーナリスト)

「あらゆるものに宿る いのちそのものを捉えたい」。今年4月に刊行された本『いきることば つむぐいのち』に、永井一正の作品とともに収められている言葉のひとつである。同書では、地球上の生き物と人間の関係に目を向けた言葉にも出合う。「共に生きていく。すべてはつながっているから」 1929年生まれの永井は、グラフィック・デザイン界の最前線で表現の可能性を拓いてきた重鎮のひとり。80年代後半から一貫して取り組んでいるのが、動物や植物をモチーフとしたポスターであり、ライフワークとなっている「LIFE」シリーズだ。 こうした作品と本人の言葉で構成する本展は、アート・ディレクターとして活躍する息子...

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