忘れかけていた一大転機、 80年代を思い出すという試み。

文:赤坂英人

テレビをつけると、軽快なリズムに乗って『ダンシング・ヒーロー』を歌う歌手の荻野目洋子の姿が目に飛び込んできた。彼女のバックには1980年代のファッションに身を包んだ女性たちが踊っていた。この曲は85年にリリースされ、大ヒットした荻野目の代表曲だ。それが昨年、大阪の府立登美丘高校ダンス部が踊る「バブリーダンス」とともにリバイバルした。 こうした現象と関連があるのか、現在、日本の80年代の美術に焦点を当てた『起点としての80年代』展が金沢21世紀美術館で開催されている。参加した作家は時代の寵児的画家だった大竹伸朗をはじめ、森村泰昌、横尾忠則、日比野克彦、舟越桂、宮島達男など19名。実力も人...

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