家父長制度における女性の苦痛を表現! 注目のインド人作家の作品を見よ。

文:坂本きよえ

いま注目のインド人女性アーティスト、シエラ・ゴウダ(1957~)。彼女の初のイタリアでの展覧会『リメイン』が話題だ。 インド人が額に付ける赤い印「ビンディ」の原料である赤クムクムや、牛糞、金箔、針、糸、コードなど、日常にある素材を使った大きな彫刻やインスタレーションが、新作を含め約20点展示されている。彼女のアートのテーマは、現代のインドの宗教や政治における女性の問題。たとえば展示の目玉のひとつである2001年制作の作品『私が彼に告げる痛み』は、家父長制度における女性の苦痛を表現している。いつもより倍以上の来場者を記録しているという展覧会を、この機会にぜひ見ておきたい。

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