家父長制度における女性の苦痛を表現! 注目のインド人作家の作品を見よ。

  • 文:坂本きよえ

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MILANミラノ

家父長制度における女性の苦痛を表現! 注目のインド人作家の作品を見よ。

文:坂本きよえ

『私が彼に告げる痛み』。100ⅿのコイル糸を赤クムクムで染めている。インドのスパイス文化と繊維産業に着想を得た。photo: Oriol Tarridas

いま注目のインド人女性アーティスト、シエラ・ゴウダ(1957~)。彼女の初のイタリアでの展覧会『リメイン』が話題だ。
インド人が額に付ける赤い印「ビンディ」の原料である赤クムクムや、牛糞、金箔、針、糸、コードなど、日常にある素材を使った大きな彫刻やインスタレーションが、新作を含め約20点展示されている。彼女のアートのテーマは、現代のインドの宗教や政治における女性の問題。たとえば展示の目玉のひとつである2001年制作の作品『私が彼に告げる痛み』は、家父長制度における女性の苦痛を表現している。いつもより倍以上の来場者を記録しているという展覧会を、この機会にぜひ見ておきたい。

Pirelli Hangar Bicocca

Via Chiese 2, 20126 Milano
最寄り駅:MILANO GRECO PIRELLI
TEL:02-66111573
開館時間:10時~22時 ※入場は閉館の45分前まで
休館日:月~水
料金:無料
※開催中~9/15
www.hangarbicocca.org