ガウディの処女作が、ついに一般公開へ。

文:森本 徹

「サグラダ・ファミリア」や「グエル公園」、「カサ・ミラ」など、バルセロナを代表する建築。もちろんこれらはすべて、アントニ・ガウディによるものだが、いままで一般公開されたことのない処女作があることをご存じだろうか? このたび観覧が解禁されたその建築こそ、「カサ・ビセンス」だ。  カサ・ビセンスは、タイルやレンガ工場を経営するビセンス家のために、19世紀後半に建てられた私邸。ガウディ建築に特有の奇想天外なカーブは見られず、イスラム建築の影響が色濃く残った、ムデハル様式の直線的な構造を特徴とする。  稀代の大建築家の原点である、美しき建築。これを見ずして、ガウディを語る事なかれ!

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