本誌では書けなかった裏エピソード

山素人女子2人、 白神のパワーを全身に浴びる。

担当:編集I
世界遺産名:白神山地

担当は白神山地。お達しが出てから、何気におののいた。青池見たさに希望を出した浅はかな自分にとって、白神山地という地はとてつもない大自然の地で、自分は山登りさえろくにしてこなかったまったくの山素人だったからです。撮影をお願いした野村佐紀子さんとともに、白神山地の書籍を読み込み、まずは山登りの装備を一式、ふたりしてお店へ調達しにいくことから始まりました……。

素人ふたり宿に着き、まずは一服と、近所のカフェ・ルーラルへ。抹茶ロールケーキとハーブティーをいただきながら打ち合わせ。

飯島 山素人女子2人、 白神のパワーを全身に浴びる。

佐紀子さん曰く、昼間に撮ってもおもしろくないから早朝か夕方に撮影を、ということで、翌朝は5時集合で山へ向かうことに。「クマ出ないかな〜」と無邪気に語る佐紀子さんに、「勘弁してください」と心の中でつぶやく撮影前日です。

雨が滴る中、早朝から山の入り口に待機。日が出る前に山へ入っていくと、雨のおかげで幻想的なもやが立ち込め始めました。

飯島 山素人女子2人、 白神のパワーを全身に浴びる。

ガイドの山田兼博さん曰く、「昨夜から雨が降ったからだね。ラッキーだね」と。その光景に見とれていると、「さ、ここから行くよ」と、結構な急斜面の山肌を登るように指示されます。初心者大丈夫か?とドキドキしながら進みます。が、なぜだかとても軽快に足が進みます。それどころかどんどん力が湧いてきて、元気になる感覚。映画『もののけ姫』のような光景を目にしながら、えもいわれぬパワーが身体に宿った感覚で、初日撮影は無事に終了。

撮影2日目。残念ながら誌面での紹介はできませんでしたが、青池のほうにも行ってみようと、十二湖へ行くことに。こちらは朝3時頃の集合!(山田さん、本当にありがとうございました!) 現地へ5時30分頃に着き、日の出直前に撮影へ繰り出します。念願だった青池よりも、鶏頭場の池が神秘的でとてもよかったです。木、枝がとてもロマンチック。

飯島 山素人女子2人、 白神のパワーを全身に浴びる。

最終日は、今回お話を伺った目屋マタギの子孫、工藤光治さんのお宅へお邪魔しました。クマの毛皮が敷かれた居間は圧巻。

飯島 山素人女子2人、 白神のパワーを全身に浴びる。

さらには、江戸時代から万能薬として重宝されていたクマの胆のうも見せていただきました(しかも、ちょろっと指につけてなめさせていただいた)

飯島 山素人女子2人、 白神のパワーを全身に浴びる。

なんだか身体に不思議なものが宿った感覚。工藤さんのお宅では、パンやリンゴをご馳走になりながら、楽しくお話を伺いました。優しい心をもったご夫婦に、心和む時間でした。こうして山素人2人の撮影旅は終了。立ち入り禁止エリアが続出だった11月後半。次回は初夏に訪れたいものです。