2026年10月19日(月)までTOFROM YAESU TOWER 6階にて開催されている『T3 PHOTO ASIA 2026』。アジア主要都市の写真ギャラリーの出展に加え、フォトブックとプリント・エディションに焦点を当てた『Next Edition』も同時開催される。注目のギャラリーブースでアート作品としての写真に触れ、購入もできる貴重な機会となる。
アジアの写真を世界へ、国内外約30のギャラリーが参加
一般社団法人TOKYO INSTITUTE of PHOTOGRAPHYが主催する都市型写真祭『T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO』が東京・八重洲、日本橋、京橋、銀座エリアで開催中だ。その一環となる『T3 PHOTO ASIA 2026』は、写真に特化した国際アートフェア。3回目を迎える今年は、アジアを中心に国内外からギャラリー、アーティスト、コレクター、出版社などが集結。写真文化とマーケットの新たな交流の場を目指す。
「国際的な写真展として名高いアルル国際写真フェスティバルやパリ・フォトでは、アジアのギャラリーはわずか10パーセントしか参加していません。日本人やほかのアジアの写真家の作品を世界中に広めたいとの思いから、T3 PHOTO ASIAをスタートしました。初年度は14社だったギャラリーが今年は約30社に増え、より見応えのあるものになっていると思います」と話すのはT3ファウンダーの速水惟広だ。
中国の写真が映す、個人の記憶と社会の変化
特別企画では中国に焦点を当て、2組のアーティストによる展示を開催。一つは中国と日本のアーティストカップルである榮榮(ロンロン)&映里(インリ)。M+やMoMA、International Center of Photographyなどに展示・収蔵されているアーティストだが、今回は彼らの歩みを反映した『妻有物語』が出品されている。
もう一つはフランス人アーティストのトーマス・ソーヴィンによる作品。ソーヴィンは北京郊外のリサイクル工場から回収された35mmネガフィルムを中心に100万点を超える匿名写真を収集し、そこからセレクトした4万点の中から今回の写真を展示している。20世紀後半からデジタル写真が登場する2005年までの期間に撮影された中国の人々の日常スナップは、急速に変化する社会の変遷を記録したものとして、写真の持つ圧倒的な役割を提示する。
東京、京都、ソウルなどから注目ギャラリーが出展
続くギャラリーブースには東京、京都、大阪、ソウル、台北、台南から気鋭のギャラリーが出展し、新旧取り混ぜた作品を展示。一例をあげるとマイケル・ケンナの日本の代表ギャラリーとして知られるギャラリー・アートアンリミテッド、高松次郎、吉田克朗、木下佳通代といった戦後を代表するアーティストのエステート管理を行うYumiko Chiba Associates、国際的に活躍する石内都、楢橋朝子、田中愛弓ら日本の女性写真家の紹介に力を入れてきたThe Third Gallery Aya、韓国写真界の巨匠イム・ウンシクや、現代の都市開発に対する視線を投げかけるキム・ウヨンの作品を出品するGALLERY YEH、中国を代表する写真家・周抗の作品の普及に力を注ぐRiku Art Galleryなど、実力派揃いのギャラリーが並ぶ。
写真集や出版文化にも広がるフェアの楽しみ
このほか、写真を理論から問い直す「POST INDUSTRIAL MEDIUM−複製技術時代の終焉」、カメラやレンズの製造販売を行う光学機器メーカー・SIGMAによる写真集の展示・販売が行われるほか、今年の新たな試みとして、写真作品のエディションに関わる出版社や書店、印刷会社など多様な専門家やプラットフォームが集う『Next Edition』も登場する。
スマホで誰もが簡単に写真を撮り、加工までできてしまう現代において「写真を撮ること」の意味にもう一度立ち返ってじっくりと鑑賞し、お気に入りの作品を購入できる『T3 PHOTO ASIA 2026』。この週末は、東京発・アジアの写真の祭典に出かけたい。
『T3 PHOTO ASIA 2026』
開催期間:10月17日(土)〜10月19日(月)
開催場所:TOFROM YAESU TOWER 6階 東京建物 ぴあ シアター&カンファレンス
東京都中央区八重洲1-6-1
入場料:当日券¥2,500/学生・障害者¥1,000