昨年の展示風景。東京の日本橋三井ホールで開催し、11組・約60名が参加した。プロダクトデザイナーに限らず、アーティスト、建築家、職人、エンジニア、研究者など多領域のクリエイターがチームを結成。異なる専門性を掛け合わせ、空間を活用しながらプロジェクトを発表した。
昨今のデザインイベントで発表されるプロジェクトを見るなかで、マスプロダクションと直結しないコレクティブルデザインの動きが顕著になっている。コレクティブルデザインとは、量産を前提とせず、作品性や希少性を重視するデザインを指すものだが、この背景には嗜好の多様化やデザイン市場の縮小がある一方、デザイナーの試作や活動を支える体制が十分ではないという課題もある。こうした状況に新たな仕組みで応え、次世代の創作活動を後押しするのが「alter.(アルター)」だ。
今年で2度目を迎える本展は、見本市型の展示会とは一線を画す。従来のデザインイベントでは出展者が料金を支払い製品を披露するのに対し、alter.はクリエイターのプロトタイピングそのものを支援。応募者の提案を国際的なコミッティが選考し、規模に応じて開発制作費や展示費を最大300万円まで補助する。出展料も無料とすることで、独創的なアイデアや先進的なアプローチが表舞台に上がる機会を幅広く生み出している。
審査を担当したのはダン・ソーリー、フェイ・トゥーグッド、ヨハン・デュレル、青木淳、ローラ・メイ・トッドの5名。キュレーション、プロダクト、建築、ファッション、ジャーナリズムといった異なる領域で活動するメンバーが、分野を横断する視点から多様なプロジェクトをセレクトする。
プロダクトやインスタレーションの展示だけにとどまらないのもalter.の魅力だ。プロダクトを社会や日常へどう接続するか、その道筋を考えるマーケットプログラム「サーキット」を同時開催。会場内で作品の購入も可能となる。今回から新たに設けられる「ラウンジ」では公開収録のトークライブも予定され、出展クリエイターと来場者の交流の場を広げる。

