東京・恵比寿のBLUE NOTE PLACEに、巨大なスピーカーが姿を現した。JBLが創立80周年という節目に送り出す、新たなフラッグシップスピーカー「Summit Everest(サミット・エベレスト)」だ。その登場を記念して開催されたイベントでは、製品のプレゼンテーションに加え、実機によるリスニングセッション、Summit Seriesや内部パーツの展示などを通して、JBLが追求してきた音づくりの現在地が示された。
Summit Everestは、単に「いまのJBLで最も高性能なスピーカー」というだけの存在ではない。そこには、80年にわたって積み重ねてきた技術と、開発の歴史が凝縮されている。
40年以上続く「Project EVEREST」の最新到達点
JBLには、その時代における最高峰のスピーカーを目指してきた「プロジェクトモデル」の系譜がある。
1950年代に登場したHartsfieldやParagonから連なる系譜では、価格などの制約にとらわれず、その時点でJBLが持つ最高の技術とイノベーションを投入するという思想が貫かれてきた。イベントでも「制約を受けることなく、開発チームはその時の最高のモデルをつくり上げてきた」と、その考え方が語られた。
なかでも今回のSummit Everestへとつながるのが「Project EVEREST」だ。1985年に初代「Project EVEREST DD55000」が登場して以来、4世代、40年以上にわたって進化を重ねてきた。Summit Everestはその系譜を継承し、JBL創立80周年の音響技術を結集したSummit Seriesのフラッグシップモデルとして誕生した。
巨大な筐体に、JBLの最新技術を詰め込む
中高域には、3基のコンプレッションドライバーと大型ホーンを組み合わせた新開発のシステムを採用。音の広がりや細かなニュアンスまで、精緻に描き出すことを狙っている。
低域には、250mm径のミッドバスを2基、さらに380mm=15インチ径の大型ウーファーを2基搭載。振動板には、カーボンファイバーを配合した3層構造の「HC4コンポジットコーン」を採用し、高い剛性と軽量性を両立している。
ネットワーク部にも、独自の「MultiCap」クロスオーバーネットワークを採用。ひとつの大容量コンデンサーではなく、複数の小容量コンデンサーを並列に配置することで、エネルギーロスを抑えるという。
ただし、開発陣が目指したのは個々の技術を競わせることではない。それぞれの技術だけをアピールするのではなく、最終的に「システムとして一体感を持たせる」ことがSummit Everestの開発で重視されたと説明された。スペックはあくまでも手段であり、音楽をどう届けるのかが、このスピーカーの目的なのだ。
ジャズ喫茶「ベイシー」の菅原正二と、その音を聴く
イベントの締めくくりには、Summit Everestによるスペシャルリスニングセッションが行われた。ゲストとして登場したのは、岩手県一関市のジャズ喫茶「ベイシー」店主、菅原正二。長年ジャズとオーディオに向き合ってきた菅原とともに、彼がセレクトした楽曲をSummit Everestで聴いていく。
そのひとつとして選ばれたのが、マイルス・デイヴィスのライブアルバム『We Want Miles』。菅原自身が「エレクトリック・マイルスになってからの最高峰」と称する名盤だ。試聴を終えた菅原は、Summit Everestの実力に太鼓判を押した。
JBLの創立から80年、初代Project EVERESTから40年以上が経過した。技術革新を重ね、それぞれをひとつのシステムとしてまとめ上げ、音楽へと還元する。Summit Everestは、その長年の蓄積を結集し、「理想の音楽再生」を追求したJBLの新たな到達点だ。
JBL公式サイト
https://jp.jbl.com
