「素晴らしい映像‥」ザトウクジラ出産の瞬間をドローンで世界初撮影。母子の姿に反響

  • 文:吉井いつき
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Shutterstock ※画像はイメージです

オーストラリア沿岸で、野生のザトウクジラが出産する瞬間が上空から捉えられた。野生のザトウクジラの出産を捉えた映像は過去にわずか3例で、今回のようなドローンによる空撮映像は世界初だという。

息継ぎかと思ったら…

ザトウクジラは、毎年12月〜2月の夏季に南極海域で餌をとり、冬期(5月〜7月頃)になると北上して温暖な海域で交尾や出産を行う。オーストラリアの沿岸をおよそ5万頭のザトウクジラが回遊するさなか、その奇跡のような一瞬は訪れた。

今年7月28日、オーストラリアの海洋哺乳類救護・研究組織ORRCAのドローンパイロットであるアレクサンダー・フォレストさんは、ニューサウスウェールズ州の沿岸で回遊ルートを観測中、通常よりも著しく遅いスピードで泳ぎ続ける1頭のザトウクジラを発見した。

「最初は単に海面で休んでいるだけだと思いました。これほど長くゆっくり泳ぐクジラを見たことがありませんでしたから」とアレクサンダーさんは振り返る。クジラが呼吸をするために海面へ浮上したと考え、撮影ボタンを押したアレクサンダーさん。しかし、上がってきたのは息を吸うためだけではなかった。

「彼女の周囲の海中に血が広がり、その直後、小さな子クジラが、人生で最初の呼吸をするために海面へ浮上してきたのです」

出産直後、母親のクジラは数秒間じっと動かずにいたが、すぐに生まれたばかりの我が子の方へ向いた。アレクサンダーさんは撮影者であることを忘れ、一人の目撃者として母と子の感動的な初対面を見守ったと語る。

この映像の一部はアレクサンダーさんのInstagramアカウントに投稿され、「素晴らしい映像だ」「すごいものを見せてくれてありがとう」と大きな反響を呼んだ。映像はニューヨークタイムズなど大手メディアでも取り上げられた。

海洋生物学における歴史的快挙

ORRCAの研究責任者であるアニー・ポストさんによると、ザトウクジラの出産映像はこれまでにわずか3例しか存在しないという。しかも、上空から捉えた映像は今回が世界初だという。

ザトウクジラによる出産自体は時折報告されるものの、陣痛や出産から直後の母子行動、群れの他のクジラとの接触までを詳細に記録できた例は存在しないという。その一部を記録することができた今回の映像は、ザトウクジラの生態や生殖メカニズムの解明において計り知れないほど貴重な情報である。

「このような奇跡的な瞬間に立ち会えて光栄です。この映像が今後の海洋哺乳類研究に寄与することを誇りに思います」とアレクサンダーさんはコメントしている。

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【動画】ドローンで上空から撮影されたザトウクジラの出産