いま、カクテルの世界がおもしろい。そこには、これまでのセオリーを軽やかに越えていく若きバーテンダーたちが存在している。味や香り、土地の風土や食文化、素材を生み出す環境までを一杯に取り込み、自らの解釈を示していく。
そんな才能が交差する場となったのが、ヘネシーによるグローバル・カクテル・コンペティション「#HennessyMyWay 2026」だ。7月28日に開催されたジャパンファイナルには、全国から事前審査を勝ち抜いた10名が集結。ヘネシー「V.S」や「X.O」を用いて、それぞれの感性を表現した。
頂点に立ったのは、東京・小岩「Cocktail Bar Raven」の伊藤広光。23歳で自身のバーを開き、2023年には静岡県下田市に「SHIRAHAMA DISTILLERY」を開業。国産トリプルセックやブルーキュラソーの製造も手掛けるなど、バーテンダーの領域を越えて酒づくりに向き合ってきた。
優勝作「Bee Cause」は、ヘネシー X.Oに蜂蜜、自家製のミードとカモミールを合わせた。伊藤は蜂蜜の味だけでなく、その背景にあるミツバチや生産者、自然環境にまで目を向け、「背景を知って選ぶこと」の大切さをカクテルとして表現した。
「自分がいなくなった未来まで見据えてお酒づくりをされている生産者の皆さんを心から尊敬していて、私もそんな人になりたいと思っています」と伊藤。長い熟成を経てつくられるヘネシー X.Oと、未来の自然や酒文化を見据えた彼の思想が、一杯の中で重なった。
その自由な解釈は、他のファイナリストにも共通する。2位の「The AXTELL」(愛知県)の間座照之による「黄金の茶室」は、みりんやあんこ、煎茶、甘酒をヘネシー X.Oと融合。3位の「barユリイカ」(京都府)の木野内捺は、賀茂茄子、西京味噌、青柚子という京都の食材を取り入れた。
歴史あるコニャックに対し、バーテンダーたちの答えはひとつではない。「#HennessyMyWay」は、そんな新しい感性と才能が邂逅し、カクテルの解釈をさらに押し広げる場と言える。
伊藤は11月、フランス・パリで開催されるグローバルファイナルへ日本代表として挑む。次はどんな一杯を見せてくれるのか、楽しみに待ちたい。