【新型メルセデス・ベンツCLA】美しいクルマは、なぜ安全なのか。流麗なボディの裏側に、150回のクラッシュテスト

  • 写真&文:小川フミオ
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クローム仕上げのスターパターンを採用したイルミネーテッドラジエターグリル

メルセデス・ベンツの新型「CLAクーペ」および「CLAシューティングブレーク」が発売された。 

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ラインやエッジを大幅に削減した輪郭などシンプルな造形を特徴とする。

新型は第3世代。4ドアクーペというジャンルを開拓した「CLS」の系譜を継ぐモデルで、円弧を描くような美しいラインのボディは健在だ。

「Sensual Purity(官能的純粋)のデザイン基本思想に基づき、ラインやエッジを大幅に削減した輪郭など、シンプルな造形でありながら、流麗かつ力強さを感じさせるエクステリアデザインと、上質さと若々しさを備えたインテリアデザインを採用」

メルセデス・ベンツ日本では、プレスリリース内で上記のように、デザインの特徴を解説されている。

IMG_0679.jpegCLA シューティングブレークはCLAクーペの流麗なデザインをベースに、後方へ伸びるルーフラインと広いラゲッジスペースを融合したモデル。

2013年の初代に続き、15年に追加されたステーションワゴンボディのシューティングブレークも、大きめの荷室を持ちながら、流麗なボディデザインが魅力的なモデルだ。

今回は、CLAとCLAシューティンブレークは同時発売で、美しいボディを見ていると、購買にあたってはかなり悩みそう。

新型CLAは「ドライブトレイン、トランスミッション、プラットフォーム、サスペンション、デジタル体験までを刷新した、新しい世代」と説明される。

新しく開発されたプラットフォームを使い、マイルドハイブリッド化されたエンジン車とピュアEVがラインナップされる。

4月発売のマイルドハイブリッド車は下記のとおり。

CLA180(598万円)
CLA220(687万円)
CLA180シューティングブレーク(621万円)
CLA220シューティングブレーク(710万円)

上記4モデルはすべて、新開発のコンパクトな1.5リッターエンジンと前輪駆動システムの組合せ。

「180」は最高出力100kWで最大トルク200Nmであるのに対して、「220」は140kWと300Nmとなる。ともにマイルドハイブリッドで、22kWの電気モーターがギアボックスに組み込まれる。 

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CLAクーペとCLAシューティングブレークには「with EQ Technology」が追加設定され発売された。写真:メルセデス・ベンツ日本

7月には、バッテリー駆動の「with EQ Technology」が追加された。

CLA250+ with EQ Technology(775万円)
CLA200シューティングブレーク with EQ Technology(691万円)

「250+」の最高出力は200kWで最大トルクが335Nm。一充電走行距離は771kmに達するという。シューティングブレークの「200」は165kWと335Nmで、一充電走行距離は513km。

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ダッシュボード全体に拡がるスーパースクリーンは巨大はスマートフォンのような感覚で使える。

インテリアでは、「スーパースクリーン」が有償オプションで選べる。ダッシュボード左右に大きなスクリーンが展開。

「友人との会話のようなコミュニケーションを可能にし、会話の文脈を保持する短期記憶機能」も備えたMBUXバーチャルアシスタントがここに登場。

ChatGPTやMicrosoft Bingをサポートしてくれ、Google Geminiとの連携で、ナビゲーションや検索結果、自然な会話形式で、ユーザーに提供してくれるという。 

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シートの座り心地はよく後席の空間的余裕もたっぷりとられている。

新型Sクラスに続き、自社開発の「MB.OS」は、インフォテインメント、運転支援、ボディ&コンフォートの各領域を統合的に制御する。

「“このクラスで最も安全な自動車”を目標に、最新の安全思想に基づいてゼロから開発」されたという新型CLAシリーズ。

標準装備の安全運転支援システムに加え、衝突時の衝撃を効果的に分散するクラッシャブルゾーン、高剛性の車体構造、セイフティベルトやエアバッグなどの乗員保護システムを組み合わせている。 

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ブルーはアルミニウム、ホワイトはスチール、赤は高強度鋼板、紫はホットスタンプ高強度鋼板で、潰れて衝撃を吸収する部分とぜったいに変形しない部分とを分けているのが衝突安全性(白いのはエアバッグ)。

7月末には、日本でジャーナリスト向けにCLAシリーズにおける技術説明会が開かれ、ドイツ本社からの技術者が、BEVのバッテリー保護を含めたクラッシャブル構造を説明してくれた。

そもそもメルセデス・ベンツといえば、高い安全性、というのは1980年代には確立された“常識”。

正面衝突では、「たいていのドライバーはステアリングホイールを切って避けるから」と、いわゆる100パーセントでなく、部分的な正面衝突を前提とした衝撃吸収の研究は一例。

「私たちは世界最高水準と自負するジンデルフィンゲンの(本社)クラッシュセンターで150におよぶクラッシュテストを行い、さらに、インドや中国や米国といった、さまざまな交通状況の国での事故もデータ化しています」

本社から来日した、研究開発部門でパッシブセイフティ、つまり衝突安全性を担当するシニアエンジニアの、ドクター・クリスティアン・グルーグラー教授は語る。

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ドアは衝突時にも確実に開くことが大事で、大きな衝撃があると格納式のアウタードアハンドルが瞬時にポップアップし、また、ドア内部のビームの下の紫はあえて角度をつけてぶつかった衝撃を外に逃がす形状。

標準装備の安全運転支援システムに加え、衝突時の衝撃を効果的に分散するクラッシャブルゾーン、高剛性の車体構造、セイフティベルトやエアバッグなどの乗員保護システムを組み合わせている。

衝突時に乗員はエアバッグで保護しつつ、ボディがダメージを受けてもドアは確実に開けるし、高電圧を使うEQ Technology車は瞬間的に電源をシャットダウンする、とされている。

デザインの背景には、高度なエンジニアリング。これがCLAをかたちづくっているのだ。 

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with EQ Technologyはリアにパワーユニットを搭載し後輪を駆動する。

メルセデス・ベンツ CLA Coupe 180(220シューティングブレーク)
全長×全幅×全高:4725×1835×1470mm
ホイールベース:2790mm
車重:1650(1670)kg
1498cc 4気筒 マイルドハイブリッド 前輪駆動
最高出力:100(140)kW+モーター22kW
最大トルク:200(300)Nm+モーター200Nm
変速機:8段デュアルクラッチ
乗車定員:5名
燃費:20.3(19.9)km@l(WLTC)

メルセデス・ベンツ CLA 250+ with EQ Technology(CLA 200 with EQ Technology)
全長×全幅×全高:4725×1835×1470(1475)mm
ホイールベース:2790mm
車重:2040kg
電気モーター×1 後輪駆動
最高出力:200(165)kW
最大トルク:335Nm
乗車定員:5名
一充電走行距離:771(513)km(WLTC)

https://www.mercedes-benz.co.jp/

小川フミオ

モータージャーナリスト

自動車を中心に活躍するジャーナリスト/ライター。自動車誌やグルメ誌の編集長を務めた後、フリーランスとして活動。新車の試乗記をはじめ、グルメ、ホテル、人物インタビューなど、多岐にわたるジャンルの記事を独自の視点で執筆し、雑誌やウェブメディアを中心に寄稿している。

小川フミオ

モータージャーナリスト

自動車を中心に活躍するジャーナリスト/ライター。自動車誌やグルメ誌の編集長を務めた後、フリーランスとして活動。新車の試乗記をはじめ、グルメ、ホテル、人物インタビューなど、多岐にわたるジャンルの記事を独自の視点で執筆し、雑誌やウェブメディアを中心に寄稿している。