【BMW新型iX3】視線だけで車線、ハンズオフは時速130kmまで対応…電気自動車の利点が盛りだくさん

  • 文:小川フミオ
  • 写真:BMW Japan
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BMWの主力SUVのひとつ「X3」のバリエーションは従来のガソリン、ディーゼル、ハイブリッドに加え今回の電気でおおきく拡充。

BMWジャパンが新型SUV「iX3」を2026年7月22日に発売された。「ノイエ・クラッセ」とも呼ばれる最新の技術を誇る電気自動車の新しいクラスでもある。

クルマはここまで進化しているのか、と驚くような内容なのだ。ドライブすれば、もう一瞬でこのクルマの真価がわかる、とまで言いたい。

ここでは事前知識として、その特徴を紹介しよう。

BMW新型SUV「iX3」キドニーグリル
新世代のブランド・フェイスを形成する縦型キドニーグリルと垂直配置の LEDヘッドランプがデザインされた。

デザイン的にも見るべきところは多い。ひとつは、かつてのノイエ・クラッセを彷彿させる小ぶりで品のよいBMWのアイコン「キドニーグリル」のデザイン。輪郭がLEDで浮き立つのも、技術に裏付けされている。

かつてのノイエ・クラッセは、1962年発売の「1500」にはじまり、日本でも人気の「2002」シリーズまでが含まれる。

BMW ノイエ・クラッセ 1500
オリジナル「ノイエ・クラッセ」の原点といえる「1500」。写真:筆者

審美性とパッケージングのよい機能主義をバランスさせた優れたボディデザインと、パワフルなエンジン、スポーティな走りをもたらすサスペンション。

新しいクラスをつくる、というBMWの目論見は成功し、市場ではおおいに歓迎された。その後継として登場したのが「5シリーズ」と「3シリーズ」だ。

BMW新型SUV「iX3」
ボディ側面はモノリシックと表現される面構成と最小限のキャラクターラインを特徴とする。

iX3のボディデザインは機能主義的で、従来のX3で評価されてきたパッケージのよさが踏襲されている。これもひとつの見識だと思う。

エレガントささえ感じさせ、広い層に抵抗なく受け入れられるテイストだ。張りのある面は、質感の高さを強く感じさせ、プレミアムSUVの市場で人気が出そうだ。

iX3の“新しいクラス”ぶりは、電気自動車ならではの特長の数々にも見てとれる。

新世代のバッテリーによって、「iX3 50 xDrive」は一充電で最長906kmに達する。BMWジャパンの技術担当者は「東京から博多まで走っていける」と胸を張っていた。

BMW新型SUV「iX3」
従来のメーターナセルが廃止されたためステアリングホイールは独特のデザインが標準装備となっている。

もうひとつは「ハイウェイアシスト」なる走行支援機能。時速130kmまでハンズオフ運転支援機能が使える。

車両が車線変更が必要と判断した場合、運転者にそれを知らせ、運転者がアウトサイドミラーに視線を移したのを“合図”として、車両が自動でとなりの車線へと移っていく。

私は欧州の高速道路でこれを経験したことがある。実際に効果的だった。同時に感心したのは、このような技術を“来るべき未来”と捉え、開発を推進していくBMWのクルマづくりの姿勢だ。

BMW新型SUV「iX3」
リアはBMWが「伝統」とするL字型ライトを水平基調で再解釈した新意匠を採用しスポーティさを強調。

「スーパーブレイン」という統合制御技術も、ノイエ・クラッセたるiX3の特徴だ。

4つのコンピューターで「ドライビング・ダイナミクス」「運転支援システム」「インフォテイメント」そして「ベーシック&コンフォート」を担当。ひとつずつをスーパーブレインと呼ぶ。

利点は、効率化、将来的な機能的アップグレードのしやすさ、それに配線などを省略できること(実際600m短縮して約30%の軽量化)などが挙げられる。

BMW新型SUV「iX3」
発光するキドニーグリルはアイコニック・グローと名づけられiX3のキャラクターを際立たせている。写真:筆者

注目してほしいのは、上記4つのうち「ドライビング・ダイナミクス」担当のコンピューターをBMWでは「ハート・オブ・ジョイ」と名づけ、電気自動車ならではの高度な制御を実現している点。

バッテリーで駆動される前後のモーターの駆動力と制動力は緻密に制御される。どんなメリットがあるかというと、たとえば全くぎくしゃく感のない走行感覚の実現だ。

私が体験した中でもうひとつ、感動に近いレベルだったのが、回生ブレーキも制御しての、停止の動き。

建物の前に横付けする際、アクセルペダルから右足を外しただけで、いっさいのショックもなく、すっと停止する。電車だってかなわない。これがノイエクラッセか、と感動ものだ。 

BMW新型SUV「iX3」
「BMWパノラミック iDrive」はウインドシールド下端の43.3インチの「パノラミックビジョン」と17.9インチのセンターディスプレイより構成。写真:筆者

インテリアにおけるデジタル技術も、iX3の見どころだ。デザイン的に眼をひくのは、ウインドシールド下、左右幅いっぱいに設けられた「BMWパノラミックiDrive」ディスプレイの新しさ。

視線の移動を可能なかぎり少なくする目的を持ち、ここに外気温をはじめ、ドライバーが即必要とする情報を表示しておける。中央にはAIエージェントが常駐する。

BMW新型SUV「iX3」
ロングホイールベースを活かして後席スペースは空間的余裕がたっぷりある。写真:筆者

インフォテイメントも最新世代の電気自動車には重要なテーマだったようだ。最新世代のOSが搭載され、60以上のサードパーティ製アプリにも対応。

「(スマートフォンを使った)車両情報の確認やリモート操作、社内外のデジタル体験がよりシームレスに」なっていると、BMWジャパンのプレスリリースには記されている。 

BMWジャパン上野金太郎、プロサッカー中村敬斗選手
BMWジャパンの上野金太郎代表取締役社長(左)と、ブランドフレンドになったプロサッカーの中村敬斗選手(スタッド・ランス在籍)。

今回発売されたのは2モデル。「iX3 50 xDrive」(982万円)と、スポーティな仕上げの「iX3 50 xDrive M Sport」(1034万円)だ。

BMW iX3 50 xDrive

全長×全幅×全高:4780×1895×1635mm
ホイールベース:2895mm
車重:2605kg
パワートレイン:バッテリー駆動EV 2モーター全輪駆動
最高出力:(システム)345kW
最大トルク:(システム)645Nm
バッテリー容量:109.1kWh
乗車定員:5名
一充電走行距離:906km(WLTC)
価格:¥9,820,000
www.bmw.co.jp/ja/index.html

小川フミオ

モータージャーナリスト

自動車を中心に活躍するジャーナリスト/ライター。自動車誌やグルメ誌の編集長を務めた後、フリーランスとして活動。新車の試乗記をはじめ、グルメ、ホテル、人物インタビューなど、多岐にわたるジャンルの記事を独自の視点で執筆し、雑誌やウェブメディアを中心に寄稿している。

小川フミオ

モータージャーナリスト

自動車を中心に活躍するジャーナリスト/ライター。自動車誌やグルメ誌の編集長を務めた後、フリーランスとして活動。新車の試乗記をはじめ、グルメ、ホテル、人物インタビューなど、多岐にわたるジャンルの記事を独自の視点で執筆し、雑誌やウェブメディアを中心に寄稿している。