【亀裂のあるビル】崩壊したような巨大な割れ目…世界が驚いた異形のビル

  • 文:山川真智子
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USA アメリカ/コロラド州デンバー

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Photo:One River North MAD

コロラド州デンバーのアート地区に、ユニークなビルがある。ひときわ目を引くのはガラス張りのファサードに刻まれた大胆な割れ目だ。その奥には地元の景観から着想を得た空間が広がっており、自然体験を現代建築に融合させるユニークな試みとして注目されている。

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Photo:Iwan Baan

ビジュアルのインパクト大!峡谷のような割れ目

「リノ」の愛称で知られる、デンバーのリバー・ノース・アート・ディストリクトは、かつては工業地区だったが、近年目覚ましい変貌を遂げている。路地や建物を飾るのは、カラフルで核心的なストリートアート壁画。古い倉庫や工場は、改装されギャラリーやコンサート会場、飲食店として再生した。クリエーター、アーティスト、アウトドア愛好者たちが集う街には活気があふれ、デンバーのアートの中心地として復興した。

そんなデンバーで最もホットな地区で圧倒的な存在感を放つのが、「ワン・リバー・ノース」だ。1階に商業スペース、15階までに賃貸住宅を配置したよくあるタイプの複合ビルだが、実物を見るとそのデザインの奇抜さに驚かされる。なんと建物の前面のガラスファサードを横切るように走るのは、峡谷のような割れ目。そしてその奥には、ビルの中とは思えない不思議な空間が広がっている。

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Photo:Iwan Baan

家までハイキング?自然を感じられるトレイル

「ワン・リバー・ノース」は、居住者がまるで山をハイキングするかのように散策できる垂直のランドスケープとなっている。6階から9階にかけてはコロラドの丘陵地帯や峡谷の生態系に着想を得て入念にデザインされたトレイルがあり、滝の水音を聞きながら歩くことができる。設計を担当したMADアーキテクツのプリンシパル・アーキテクト、マ・ヤンソンは、「建物の中にいながら、まるで自然の風景に没入しているかのような感覚、まるで峡谷そのものの中に住んでいるかのような感覚を想像してほしい」と述べている。

峡谷をモチーフにしたアメリティエリアには、屋外席、共有ルーム、フィットネス施設などが設けられ、居住者同士の交流を深められるように設計されている。また、16階には高山をイメージした緑豊かな屋上テラスを設置。プール、スパ、庭園が造られており、ロッキー山脈とデンバーのスカイラインを一望することができる。

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Photo:Iwan Baan

自然と建築の融合 都市生活を再定義

MADアーキテクツは「ワン・リバー・ノース」を通じて、自然体験を現代建築に融合させることで都市生活を再定義し、コミュニティを育み、居住者同士や自然界とのつながりを強める没入型の居住体験の創出を目指したとしている。これは、「未来の都市はもはやコンクリートの集合体ではなく、人と自然を融合させ結びつける場所になる」というマ・ヤンソンのビジョンと合致する。

「ワン・リバー・ノース」は、リバー・ノース・アート・ディストリクト、さらにはデンバー全体にとって今や欠かせないランドマークとなっている。自然、ライフスタイル、利便性、コミュニティを現代の居住体験にシームレスに融合させることで、多目的建築に新たな視点をもたらしており、今後多くのプロジェクトのインスピレーションとなることが期待される。

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Photo:Iwan Baan

山川真智子

Webライター

早稲田大学第一文学部卒業。レコード会社に勤務した後に渡米し、コミュニケーション学の修士号取得。米ノースウエスト航空機内誌の編集を経て、日本航空の機内エンターテイメントの選定買付に携わる。夫の転勤で通算9年の東南アジア滞在後、帰国して世界のニュースを紹介するライターに。現在は関西の片隅で、仕事の合間にフランス語学習に奮闘中。

山川真智子

Webライター

早稲田大学第一文学部卒業。レコード会社に勤務した後に渡米し、コミュニケーション学の修士号取得。米ノースウエスト航空機内誌の編集を経て、日本航空の機内エンターテイメントの選定買付に携わる。夫の転勤で通算9年の東南アジア滞在後、帰国して世界のニュースを紹介するライターに。現在は関西の片隅で、仕事の合間にフランス語学習に奮闘中。