シングルモルトスコッチウイスキー、「ハイランドパーク」。世界の愛好家たちが絶賛するその唯一無二のフレーバーに導かれ、最北端の辺境の地、オークニー諸島を訪ねた。
「風土の酒」という表現が、ハイランドパークほど似合うシングルモルトはない。蒸留所があるのは、スコットランド最北端のオークニー諸島最大の島。わずか2万の島民が、その数倍にもなる牛や羊たちと暮らす──そんな島を訪ね、太古の遺跡やローカルなパブを巡れば、この地が地理的にも文化的にも北欧に近く、人々の暮らしや精神にスカンジナビアやヴァイキングの影響が強く入り込んでいることに気づく。そしてもうひとつ、否応なしに体感させられるのが、立っていることすら難しいほどに強く吹きつける風だ。
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「私たちの島では、風があまりにも強いため木がほとんど育ちません。でも、生命力の強いヘザー(常緑低木)は生き残ることができます。その花や茎などが数千年の歳月を経て堆積し、ピート(泥炭)の層が形成されたのです」
ハイランドパークが所有するピートの採掘場で、案内役のスタッフがそう教えてくれた。“ピーティ”と聞くと、ウイスキー党は薬品(ヨード)のような風味を想像するが、ハイランドパークのピート香はそれとは異なる。甘くやわらかで、その香味はヘザーハニーとも称される。
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かつてスコッチウイスキーの蒸留所ではフロアモルティング(製麦の手法)が行われていた。水分を含む大麦を床に広げ、大きなシャベルですき返しながら発芽を促し、適度なところで乾燥させて麦芽とする。その際に熱源としてピートが使われたことが、スコッチウイスキー特有のピーティな風味の由来だ。ハイランドパークはそうした伝統をいまも残す数少ない蒸留所のひとつ。麦芽に焚き込まれる唯一無二のオークニー産ピートは、彼らのウイスキーづくりの心臓部であり、大いなる誇りだ。
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そんなピートを守るため、ハイランドパークでは環境保護団体と共同でさまざまな活動に取り組むと同時に、ピートの使用量を低減させる研究と努力も重ね続ける。
島の伝説的な密造酒製造者が1798年に創設したハイランドパーク。オークニーの風土でしか生まれ得ない大地と花、そして風が薫るシングルモルトだ。
三陽物産株式会社
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