【佐賀・古湯温泉「鶴霊泉」】足元から源泉が湧く「砂湯」で、大切な人への恩返しを思う 小山薫堂の湯道百選 第118回

  • 写真:杉本 圭
  • 文:小山薫堂
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〈佐賀県佐賀市〉

鶴の恩返し よみがえりの宿 鶴霊泉

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まるで川から湧き出す湯に浸かっている気分になった。湯船の底に砂が敷き詰められているのである。その名も「砂湯」。足元の岩盤から直接源泉が湧いているため、砂を敷き詰めたという。

佐賀駅の北20㎞、標高200mの山峡に佇む「古湯温泉」は、二千年前に不老長寿の薬を求めた秦の徐福が発見したと言われる。時は流れ江戸中期、古湯村の庄屋・稲口三右衛門がその湯で傷を癒やす鶴を発見。そこが現在の「砂湯」であり、「鶴霊泉」という屋号の由来となった。

11年前、三代目の小池典洋さんが宿を継いだ時、鶴霊泉の前に「鶴の恩返し よみがえりの宿」という冠名を付けた。そもそも不老長寿を求めて発見された湯である。それを“よみがえり”と表現するところが上手い。それ以上に憎いのが“恩返し”と名付けたこと。大切な人への感謝を告げる恩返しの場として使ってもらいたい、と考えた。たとえば、長年連れ添った妻に感謝の気持ちを込めて夫がこっそり予約する。その宿泊時、巨大モニターを備えた「恩返しルーム」で、要望があればスタッフがサプライズムービーまで準備してくれるのだ。スタッフはもちろん、すべてのゲストを“恩返し”というひとつの想いでもてなす。

その湯に浸かった時、大切な人のことを思い出し、数多の感謝を心に刻みたくなる。それこそが、名湯のひとつの証しかもしれない。 

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JR佐賀駅からクルマで約30分。鶴が傷ついたすねを癒やしたと言い伝えられる温泉は、継続して浸かることで、血圧低下や抗酸化作用などの効果を期待できることが証明されている。
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高円宮憲仁親王が宿泊した際に設えられた客室「別館 貴賓室 亀」の湯からは、庭園・嘉瀬川・天山を望むことができる。

鶴の恩返し よみがえりの宿 鶴霊泉

住所:佐賀県佐賀市富士町古湯875
TEL:0952-58-2021
営業時間:11時〜14時最終入館(日帰り入浴)
料金:一般¥1,000、子ども¥500
https://kakureisen.com