総合筆記具メーカー“パイロット”の新たな挑戦、色が変わるインキ技術×伝統工芸・有田焼が生んだインテリア

  • 文:中島良平
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凛とした一輪挿しを思わせるフォルムの器。そこにあるのは花ではない。色の変化を通して、ゆっくりと流れる時間を感じさせる、新しい発想のインテリアだ。

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パイロットコーポレーションが開発した温度で色が変化するインキ技術と、有田焼職人の手による磁器。その出会いから、「TIME VASE(タイムベース)」は生まれた。¥16,500

筆記具でおなじみのパイロットコーポレーションが、次世代の事業展開を模索する未来創造実験室PILABOT(ピラボット)より、時間の移ろいを視覚的に楽しむ器「TIME VASE(タイムベース)」を発表した。有田焼職人とのコラボレーションによって生まれた、これまでにないプロダクトである。

「TIME VASE」の色は2色。「紺から青磁」と名付けられたダークネイビーと、赤みを帯びたアンバー系の「闇に朧月」だ。それぞれの器に80〜100度のお湯を注ぐと、表面の色がゆっくりと変化し始める。そして30〜60分ほどかけて、再び元の色へと戻っていく。

その緩やかな色の変化が映し出すのは、目には見えない時間の流れだ。本に没頭するなかで、ふと色の移ろいに気づくかもしれない。器を眺めながら思索にふけるうちに、新たな発想が生まれることもあるだろう。大切な人との会話の時間も、色彩の変化とともに、より豊かなひとときへと変わっていく。

目まぐるしく過ぎていく日々のなかで、忘れがちな時間との向き合い方をそっと問いかけてくれる。それが「TIME VASE」なのである。

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お湯を注ぐ行為から、「TIME VASE」の楽しみが始まる。
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上が「闇に朧月」で下が「紺から青磁」。それぞれ一番左の画像が何も入っていない状態で。お湯を注ぐと徐々に色が抜け(中央)、最終的に器そのものの地の色が現れる。それがまた、30分から60分をかけて戻っていく。
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「紺から青磁」

この美しい色の変化を支えているのが、フリクションシリーズのルーツとなった「メタモカラー」の技術だ。世界累計販売数47億本以上を誇る消せるボールペン「フリクション」は、摩擦熱によってインキを無色化する仕組みで知られている。一方、「TIME VASE」では、その色が時間の経過とともにゆっくりと戻っていく特性に着目。有田焼職人が一つひとつ仕上げた磁器に施すことで、時間の流れを視覚的に感じられるインテリアへと昇華させた。

そして、自然の植物から抽出した天然香料のみを使用し、針葉樹と柑橘の香りが重なるオリジナルエッセンシャルオイル「Deep Breath(深呼吸)」も開発。今春、実施したMakuakeプロジェクトにて限定販売した。セットで販売することで、「TIME VASE」がアロマポットとして機能し、視覚と嗅覚の両面から心地よい時間を提供してくれる。好評につき、再販売も検討されているという。

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「Deep Breath」を垂らし、香りを楽しみながら時の移ろいを感じる。

「人と創造力をつなぐ。」をパーパスとするパイロットコーポレーションの未来創造実験室PILABOTから誕生した「TIME VASE」。そこには、積み重ねてきた技術を活かしながら、新たな価値の創出に挑み続ける同社の姿勢が表れている。

効率やスピードが求められる現代において、ゆっくりと色を変えながら時間の流れを映し出すこの器は新鮮な存在だ。ひとつの器がインテリアとして空間を彩るだけでなく、時間との向き合い方にも静かな変化をもたらしてくれるかもしれない。

PILABOT
PILABOT ECストアにて販売予定(6月下旬予定)
www.pilabot.jp/store

未来創造実験室PILABOT

www.pilabot.jp