2026年4月末に各メディアが一斉に報じたのが、Tシャツ+短パン姿の勤務が東京都職員の男性たちに認められたニュース。都が推進するこの「東京クールビズ」のおかげで、辛い暑さに耐えてきた男性たちの身体と心が一気に解放されそうだ。この流れが一般の仕事シーンまで広がっていくことに大いに期待したい。
片やファッション業界では、ここ数年間でより踏み込んだ涼しい装いを提案している。軸となるアイテムは「透ける服」。風を通す実用性も見た目の軽やかさも、クリーンでジェンダーレスな現代の気運によく合う。とはいえこれまで女性用とされてきた服を、どう着ればいいか迷っている男性は少なくないだろう。
そこで今回のPen Onlineファッション連載「着る/知る」は、BEAMS PLUS(ビームスプラス)に着こなしの指南を仰いだ。アメトラのラギッドな印象が強い彼らが今季、透け素材の巧みなオリジナル服を多数展開しているからだ。
協賛を得た店は「BEAMS PLUS Marunouchi(ビームス プラス 丸の内)」。若手からベテランまでのスタッフ3名が自ら体現する、透け服の攻略ヒントをいますぐチェック!
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ニットのメッシュシャツをアウター代わりに
フルオープンのニットポロと呼べる白のメッシュシャツ。身体に馴染むニットは透けても品のよさが保たれるから、透け服初心者が取り入れやすいアイテムだ。
一般的なコーデ発想ならインナーをTシャツにするところを、鮮やかなアロハシャツにする捻った技を披露してくれたのが坂本翔一さん。あえて柄を透けさせて、ニットの編み模様を浮き上がらせている。坂本さんによる着こなし解説は以下の通り。
「軽快にこなしたくなるニットポロを、アウターと考えて着てみました。夏になるとリゾートスタイルのお洋服が着たくなりますが、街中で着ると浮かれ過ぎて見えることがあります。そのようなときは今回の着方のようにスカーフやちょっと重めのシューズでバランスを取るといいでしょう」
昨今のメンズシーンではメッシュニットを提案するブランドや店が増えている。とはいえインナーとの組み合わせには頭を悩ませてしまう。何が正解なのだろうか?
「着慣れない方が多いでしょうが、あくまでシャツのように気軽に羽織っていただきたいです。同色のカットソーの上に羽織れば、編み地を楽しみながら透けすぎを防げます。インナーをタンクトップにして、きっちりとボタンを閉じて着ても軽快な印象になります」
では、肌見せの分量が多いタンクトップでの色選びはどうすれば?
「ホワイトだと下着感が強くなりそうです。色付きのものを選びましょう。わたしが特にお薦めしたい色はグレーです」
透かすレイヤードを楽しめば、男性の着こなしの幅が大きく広がるに違いない。
坂本さんが着た「フルボタン メッシュ ポロ」は3色展開で、SからXLまでの4サイズ。本体はコットン100%で、加工によりリネンのようなシャリ感を出している。汗ばんでも肌にベタつかず、Tシャツ一枚で心もとないときの夏の装いにぴったり。製造地は日本のニットの産地である新潟県。商品には地場産業である「五泉ニット」の紙タグがつく。
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タックインで優雅に透けシャツを
シャツ+スラックスのドレッシーな装い。でもシャツは透ける素材である。薄くハリがありスポーティなナイロンだ。清涼感があるこの服を、佐藤亮介さんはきっちりとタックインして着た。ライトな空気感のある新鮮な夏のエレガンス。
「夏に大胆な気持ちを後押ししてくれる、ピンク系のチェックシャツを主役に着方を考えました。カジュアルな印象のシャツですが、ウールパンツと合わせてタックインしつつ少し硬めに表現。パンツのライトグレーの色は、シャツのチェックの色と揃えた同一トーンです」
佐藤さんがこのようにコーデを解説。スポーツシャツを優雅に着る発想が、モダンな透けシャツの味わいを引き立てている。インナーをポロシャツにして、首周りにボリュームを出し上品にしたのも真似したい技だ。
このシャツはシャリ感があり、ジャケット代わりに羽織ってもサマになる。肌の露出を隠しつつ風を通すから、バッグに入れて持ち歩き、レストランに行くときなどに着てもいいかもしれない。ピンクの色が肌に馴染み、チェック柄が透け作用を鈍らせる。
「透けた涼感を楽しめる服ですよね。ボタンダウンシャツなのですが台襟がついていません。襟のボタンを外せばオープンカラーのように見せられます。外すとより開放感のある着方ができますよ。このシャツはパンツをチノパンツやデニムにする、さらりとした合わせもお薦めです」
4色展開でSからXLサイズのシャツ「オープン B.D. ナイロン エアリー プレイド」。裾が直線カットでシルエットはゆとりのあるボックスタイプ。パンツインにもアウトにも対応するフレキシブルなシャツである。生地はシアサッカーのように凹凸があるナイロンの先染め。
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アメトラの文脈に透けジャケットを落とし込む
テーラード型の透けジャケットで、トラッドな短パンスタイルをモダンにアップデートさせたのが鈴木太二さん。うだるような暑さの日も通気性に優れるジャケットなら快適に過ごせる。短パンで体感を涼しく下げたからこそ重ね着できた大人スタイルだ。鈴木さんはインナーを半袖シャツにして、ラフになり過ぎないバランスにしている。
「オンブレストライプのジャケットを主役にした着方の一例です。インナーをボタンダウンシャツにして、襟元に立体感を出し品よく仕上げました。大人らしい上品さを狙う人にお薦めの合わせ方です。ここではグレーの色を選びジャケットの色に馴染ませました。全身のトーンを抑え、アラフィフのカジュアルスタイルにふさわしいシックな佇まいを意識しました」
鈴木さんが今回の提案をこのように語った。レザー小物も茶色で揃え、「全身を3色以内でまとめるのがお洒落」と言われる紳士服のセオリーを踏襲している。
トラッドに通じる鈴木さんに、透けジャケットを自然に着るヒントを尋ねた。
「透けが気になる人は、このジャケットならストライプ柄から1色拾ったカラーをインナーに選びましょう。全体が綺麗に馴染むので、透けがほとんど気にならなくなります。でもあえて白のTシャツやタンクトップを合わせ透けさせるのも、夏らしく清涼感があって素敵だと思います」
短パンでなくロングパンツを穿きたいときは?
「ブラックやグレーのリネン素材のワイドパンツなら、夏らしく涼しげでありながら男らしく引き締めてくれます。ジャケットの色と揃えると落ち着きやすいでしょう。個人的なイチ推しは、サマーウール素材のワイドシルエットのトラウザーズ。『夏にウール?』と思われるかもしれませんが、実はウールは吸湿性・放湿性に優れ、夏でもサラッとしてベタつかない万能素材なんです。スラックス仕立てのものを選べば、上品な街歩きスタイルとしてはもちろん、ちょっとしたレストランにも行ける大人のキレイめスタイルが完成します」
鈴木さんのアドバイスを聞くと、頭を切り替えて新しいお洒落にチャレンジしたくなる。
1950年代ムードのある「4B カフス ジャケット オンブレ ストライプ」。2色展開でSからXLの4サイズ。袖先がシャツのようなカフス仕様になっている。裏地もついておらず、カーディガンのように気軽に羽織れる。ハリがある生地も個性的で、コットン、トリアセテート、麻、ポリエステルがブレンドされた凝った織りだ。
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スタッフ3名の着こなし共通点と、アイテム選びのコツ
今回の“透け服攻略法”に参加していただいた3名に共通する考え方がある。それは服が透ける状態をポジティブに捉えていること。「暑いから仕方なく着る」のではなく、次世代の新ワードローブとして楽しんでいる。
さらに、彼らが着たアイテムがすべて柄ものな点も見逃せないポイント。半袖ニットポロも、色はワントーンだが編み模様が複雑だ。柄ものは視覚効果で肌の透けが分散され、普段の服装に取り入れやすい。透けコーデにあまり自信がない人は、柄入りを選ぶと着回しやすいかもしれない。
記事冒頭で触れた「東京クールビズ」は、Tシャツ+短パンだけの提案である。その上に羽織るだけで品格が増す涼しい服を、仕事の場にも持ち込んで日本オリジナルの装いを盛り上げよう!
BEAMS PLUS Marunouchi
東京都千代田区丸の内2-2-3 丸の内仲通りビル 1F
営業:11時〜20時
不定休
TEL:03-5220-3151
www.beams.co.jp/beamsplus/

ファッションレポーター/フォトグラファー
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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