サウジアラビアで「国内最高齢」とされていた男性が142歳で死去したと、複数の海外メディアが報じた。
報道によれば、死去した男性の名前は「ナセル・ビン・ラダン・アル・ラシード・アル・ワダエイ(以下、アル・ワダエイと表記)」。長年にわたり地域で知られた存在であり、葬儀には数千人が参列したとも伝えられている。
巨大家族に囲まれた長寿男性
各媒体が伝えるところによると、アル・ワダエイは非常に大きな家族を築いた人物だ。子や孫などを含め親族は134人にのぼるとされる。
また特筆すべき点として、110歳で再婚し、その後も子どもをもうけたという逸話が紹介されている。こうしたエピソードは単なる長寿という枠を超え、地域社会における存在感や家族との結びつきの強さを示すものとして報じられている。
142歳という年齢の信ぴょう性
一方で、この「142歳」という年齢については慎重に検討する必要がある。
現在、公式に確認されている世界最長寿記録はフランスの女性ジャンヌ・カルマン(故人)で、1875年生まれ、1997年に死去し、122歳164日まで生きたとされる。
この記録については、出生証明書をはじめ、国勢調査、結婚記録、各年代の居住記録など複数の公的文書が連続的に残されており、生涯にわたって同一人物であることが専門家によって検証されている。
アル・ワダエイの142歳という年齢は、この記録を約20年上回る計算になる。そのため今回の報道では、年齢について断定を避け、「そう伝えられている」といった表現が用いられる傾向が見られる。
なぜ「142歳」とされるのか
彼が「142歳」とされている背景には、国によって異なる記録制度と文化・歴史的要因があると考えられる。
サウジアラビアは1932年に建国された比較的新しい国家であり、全国的に統一された行政制度や出生登録の仕組みが広く浸透したのは20世紀後半とされる。建国以前にも宗教的記録や地域単位での記録は存在していたが、現在のような統一的な出生登録制度は、1950年代から70年代にかけて段階的に整備された。
そのため、高齢世代の中には出生時の記録が十分に残されていないケースもあり、後年になって本人や家族の記憶をもとに生年が登録されることもあったとみられる。
さらに、地域によっては年齢を具体的な出来事と結びつけて記憶する慣習も見られる。「干ばつの年」や「戦いの前後」といった形で生年が語られる場合、世代を経る中で年数にずれが生じる可能性がある。こうした口承的な要素と制度上の違いが重なることで、実際の年齢よりも大きな数字として伝えられることがあると指摘されている。
今回のニュースは湾岸諸国や南アジアのメディアを中心に広がった。長寿という関心を集めやすい題材である一方、年齢の裏付けが十分でないことが、報道の広がりに影響しているとみられる。
提示されている年齢の正確性については現時点で確認されておらず、今後の検証が必要とされる。本件は、記録制度と文化的背景の違いが年齢認識にどのような差を生むのかを示す事例として興味深い。
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Saudi Arabia’s oldest recorded man, Nasser bin Radan Al Rashid Al Wadaei, dies at the age of 142. pic.twitter.com/r7U4Uzu7Sh
— News Algebra (@NewsAlgebraIND) January 15, 2026