暑い真夏の足を涼しくするスポサン(スポーツサンダル)は、ショートパンツと並ぶ現代の大人の必須ワードローブ。猛暑が予報される2026年の今年も大活躍しそうだ。
ここに紹介するスポサンは洗練されたカッコよさに加え、歩きやすさも兼ね備える秀逸な5足。色はすべて都会的な黒である。黒シューズを重く感じる夏でも、サンダルなら軽やかな足下にできる。素足を入れたとき肌が覗き、色の対比で造形の美しさが際立つのも黒サンダルの魅力だ。
セレクトしたブランドは、テバ、マリブサンダルズ、コロンビア、アーチーズ、リーフの5つ。サンダル界の実力者たちによる渾身の傑作を見ていこう。
※各販売サイトのリンクは記事末の囲み欄にて。
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1.走るために開発された究極の“ランサン”
Teva「Aventrail」
テバの「アベントレイル」は2024年に誕生して話題をさらった、山走りのための“ランサン”。26年の今年に待望のオールブラックモデルが初登場。黒をまとってスポーツ色が薄まり、街着にしっくりと馴染むクールな顔つきになった。いまこそ買い時の高性能な厚底サンダルである。
トップ、ミドル、アウトと3層にクッション材をわけたソール構造を持つ本格スポーツシューズだ。 内部にナイロンプレートまで仕込まれ、ランニングシューズのように足の横ブレを防いでいる。
開発した人物はHOKAの共同創業者のひとり、ジャン・リュック・ディアード。厚底トレイルラン市場を生み出した者が生み出した、次世代型のアクティブなスポサンである。
今回の黒スポサン紹介記事の制作者は、アベントレイルを24年に1足買い、25年にもう1色買い足している。夏に一日中疲れず歩き続けたいときの必需品として、すっかりワードローブに定着した。
皆さんも一度足を入れてみてはいかがだろうか。日本ではテバの実店舗がないものの(公式オンラインストアはある)、取扱店やポップアップショップなどで見かけたらぜひトライを。
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2.エスニックな顔つきで抜群のクッション性
Malibu Sandals「CANYON」
ローファイな見た目と反するように、街中の舗装道路でもガンガン歩ける。アメリカ・カリフォルニア生まれのマリブサンダルズを代表する定番「キャニオン」は、知る人ぞ知る銘品フットウェアだ。
編み紐のデザインはメキシコの伝統サンダルのワラチから着想されたもの。ワラチは主に革紐で作られるが、それをポリエステル紐に置き換えてスポーティに仕上げたセンスがニクい。大人が幼く見えがちなプリントTシャツやスポーツ短パンを着るときでも、このサンダルを履けば印象がシックに落ち着く。
歩きやすさの工夫は素材と構造にある。フットベッドとミッドソールは柔らかなEVA素材で、固めのゴムのアウトソールが着地を安定させる。フットベッドのアーチを盛り上げ、爪先にも足掛かりをつけたアナトミカルな構造が安定した歩きをサポートする。
なお所有者としての私見にはなるが、素足で夏に履いても汗のベタつきが少ないように思う。真夏で真価を発揮するキャニオンの優れた特徴ではないだろうか。
ただしマリブサンダルズの製品すべてが同じ感触・履き心地でない点にはご留意を。製品によりソールの素材が異なるからだ。キャニオンが好きな人がほかのモデルを購入するときは、印象が変わる可能性を頭に入れておこう。
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3.“丸ゴロ”ソールがスタイリッシュな一体成型
Columbia「THRIVE REVIVE」
高品質なシューズへの評価が高まりつつあるアウトドアブランドのコロンビアの一体成型スライドサンダル「スライブ リバイブ」。彼らが「コロンビア最高峰のクッショニングを誇るバブルソール搭載」と自慢するだけに、足を入れるとふわふわと不思議な足運びを感じる。地面の接地面積を減らした波打つアウトソールも、新鮮な着地感に結びついているようだ。
フットベッドのハニカム構造の凹凸が、足裏を心地よく刺激する。アッパーとソールが一体になったEVA素材はとてもソフトで圧迫感が少ない。
履くシチュエーションで最適なのは、やはり履き替えのリカバリー用途だろうか。革靴で歩き続けた仕事を終えこれに履き替えたら、身体の疲れが解放されそうだ。モード感のあるデザインが心もリラックスさせてくれるだろう。
トレンドのバブルソールは街着にもジャストフィットする。すでに一体成型サンダルを持っている人でも、ワードローブに追加するいい選択肢になる一足だ。
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4.ビーサン界に革新をもたらすフィット感
Archies「Arch Support Thongs」
ビーサンに心惹かれる気持ちとは、例えばモレスキンのノートを広げたとき、モンブランの万年筆でなくビックのボールペンで書き込むようなもの。ビーサンにはチープシックな味わい深さがある。ファッション業界人でも夏には洒落た服装にビーサンを組ませ、街中でドレスダウンを楽しむ人が多い。
そんなビーサン界に昨年日本初上陸して殴り込みを掛けたのがオーストラリアのアーチーズ。見た目も質感もまさしくビーサン……なのだが、これまでのサンダルとはフィット感が段違い。「理学療法士と足医学ドクターが研究を重ねた設計」という構造のこだわりが、現代的な履き心地を生んでいる。
ランニングシューズのように盛り上がったアーチが足の疲れを軽減。ややヒールが高い前傾斜の形状が、前方への足運びをサポート。足を傷めにくいソフトな樹脂素材、滑り止め効果のある穴あきのフットベッドなど快適さへの様々な工夫が詰め込まれている。
サイズ選びではあえて小さめにするのがコツのようだ。足裏をフィットさせ身体の負担を軽くするためである。アーチーズの説明によると、鼻緒や甲がキツいときは手で掴んでギュッと伸ばせばOK。それをやっても壊れにくい素材が使われている。ただしいちど伸ばすと元には戻らないようなので、フィット調整は慎重にやろう。
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5.新エアバッグを搭載した、ふわふわの履き心地
REEF「FANNING+」
鼻緒つきサンダルをトングサンダルと呼ぶ。そのトングサンダルに透明エアバッグを搭載してハイテク仕様にしたのが、アメリカ・カリフォルニア発のリーフだ。05年にデビューしたそのモデル「ファニング」から、さらに歩きやすく改良された26年春の最新モデル「ファニングプラス」が新登場。現代のランニングシューズに通じる柔らかなクッション力で、トングサンダルの常識を覆すパワフルな一足に仕上がっている。
足を入れるとまず、ふかふかのフットベッドの感触が心地よく足裏に響く。凹凸のクッション素材つきの分厚いストラップがスニーカーのように足を包み込む。一方で足指でホールドする鼻緒は頑丈な固い布だから、足指が感じる固さとほか部位の柔らかさとの違和感がユニークだ。
歩くとエアバッグ搭載スニーカーを知る人にはお馴染みの、ゴムボールのようなクッション力と反発力を感じる。ポンポンと弾むように歩けて、トングサンダルであることを忘れそうなユニークな体験である。
リーフはアメリカ西海岸のサーフカルチャーに根ざしたシューズ、アパレルのブランド。主軸商品であるサンダルではトングタイプを多種類ラインナップしている。そんな彼らの実力をもっとも実感できるのが、現時点での最上級に位置するこのファニングプラスである。

ファッションレポーター/フォトグラファー
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。
明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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