スポーツと腕時計 Vol.1
0.1秒レベルの判断と精緻な身体操作が勝敗を分ける、野球というスポーツ。今回は、今年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)という国の威信をかけた舞台で激闘を繰り広げ、世界最高峰のMLBで己の限界を押し広げ続ける日韓のトッププレイヤーと、彼らの腕元で静かに時を刻む2つのタイムピースの共鳴を紐解く。
孤高の「二刀流」と共鳴する、愚直なまでの精度と日本の美意識
まず注目したいのは、WBC日本代表を牽引し、現在はロサンゼルス・ドジャースを舞台に世界を熱狂の渦に巻き込み続ける大谷翔平選手だ。今年3月にグランドセイコーの「グローバルパートナー」に就任したことが発表された彼が、公式のキービジュアルでも着用しているのが「SLGB003」である。 特筆すべきは、本作に搭載された独自の駆動機構「スプリングドライブ」だ。機械式と同様にゼンマイのほどける力を動力源としながら、水晶振動子とICによって精度を制御する「クオーツ式」の正確さを持つ。その両者の長所を融合させたハイブリッド機構は、まさに時計界における“二刀流”と呼ぶにふさわしい。
さらに本作には、「スプリングドライブ U.F.A.」が採用されている。年差±20秒という驚異的な精度を誇る最新キャリバー「9RB2」の鼓動と、腕に馴染む37㎜の軽量なブライトチタンケース、そして光と影が織りなす美しい「樹氷」文字盤は、圧倒的なパフォーマンスの裏にある、彼の実直で静謐な人間性をも映し出しているかのようだ。
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偉大なるDNAと俊足。次世代の挑戦を支えるアバンギャルドな計器
そしてもう一つは、WBC韓国代表として鮮烈な印象を残し、現在はサンフランシスコ・ジャイアンツに所属しMLBという新たなステージで躍動するイ・ジョンフ選手をアンバサダーに迎えたタグ・ホイヤー。かつて日本の中日ドラゴンズでも活躍し、「韓国のイチロー」と称された名選手イ・ジョンボムを父に持つ彼は、偉大なるDNAを受け継ぎながら、自らのバットで新たな歴史を切り拓いている。
モータースポーツの過酷なレースからインスピレーションを得て誕生したタグ・ホイヤーの「カレラ」は、極限の緊張感の中で高い視認性と精度を発揮するアバンギャルドな計器である。最新作の「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」に搭載される自社製キャリバー「TH20-01」が刻むスポーティで洗練されたクロノグラフの鼓動は、類まれなバットコントロールと俊足でグラウンドを駆け抜けるイ・ジョンフ選手のプレースタイルそのもの。シースルーバックから覗く精緻なメカニズムと、サーキュラーサテン仕上げの深いブルーダイヤルが、若き天才打者の挑戦を力強く後押ししている。
WBCという極限のプレッシャーを乗り越え、いまや世界中のファンの視線を集めるトップステージで戦い抜く彼ら。その一瞬一瞬の挑戦を支え、日々の営みを静かに肯定するように、これらのタイムピースは腕元で確固たる時を刻み続ける。己の道を切り拓く孤高のアスリートたちが選んだ時計は、我々の日常に対しても、ブレない知性と情熱のあり方を静かに教えてくれるはずだ。
タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ/自動巻き、ステンレススティールケース&ブレスレット、ケース径41㎜、パワーリザーブ約80時間、100m防水。¥1,149,500