サントリーのウイスキー「碧 Ao」が、2025年12月にリニューアルされた。世界5大ウイスキー産地の原酒をブレンドするこのウイスキーの背景には、世界の蒸溜所を横断するサントリーだからこそ実現した発想と、ブレンダーの挑戦があった。
世界5大ウイスキーの個性を引き出すという発想
「碧 Ao」は、日本、スコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダという世界5大ウイスキー産地の原酒をブレンドしたブランド。サントリーが世界各国に蒸溜所を持つグループとなったことで生まれた、ユニークなコンセプトの一本だ。
「気がつけばサントリーグループの中に、世界5大ウイスキーの蒸溜所がすべて揃っていました。それなら、この5つの国のウイスキーをブレンドしたらどうなるのか。そんな発想からプロジェクトが始まりました」
2016年に開発がスタートし、2019年に商品化。開発では100以上のテストブレンドを重ね、各国の原酒が持つ個性を生かしながら複雑な味わいをつくり上げていった。
一般的なブレンデッドウイスキーが“調和”を重視するのに対し、「碧 Ao」は各国の個性を“重ねる”という発想で設計されている。多様な香味が層のように重なり合う、独特の複雑さが特徴だ。
熟成原酒を加え、味わいを一段引き上げる
その「碧 Ao」が、発売から5年以上を経て初の本格リニューアルを迎えた。刷新のポイントは、大きく分けて中味とパッケージの2つである。
まず味わいの進化だ。福與によれば、これまで使用していたバーボン原酒の一部を、より熟成感のある約8年熟成の原酒へと変更し、華やかな香りを実現。山崎蒸溜所のシェリー樽原酒の中でも、30年以上熟成させたスパニッシュオーク樽の古酒をわずかに加えてボリューム感を高めた。
「ほんの少量でも古い原酒を加えると、味わいは大きく変わります。甘さや熟成感、そして飲みごたえが増して、より豊かな味わいになりました」
こうした変更により、リニューアル後の「碧 Ao」は従来より甘みやボディが強まり、より滑らかで奥行きのある味わいへと進化した。スパイス感など従来の特徴は残しつつ、全体として熟成感を高めたバランスに仕上がっている。
デザインも刷新。ラベルには越前和紙を使用し、その質感をより感じられる仕様になった。さらに背景の青を単色からグラデーションをつけ、個性が重なり合うブレンドの思想を表現している。
福與は、「これまでも少しずつ品質の向上は続けてきましたが、今回は中味とデザインの両面で“ワンランク上”のステップアップを図った」と説明する
旅をテーマにした新プロジェクトが始動
また、“旅”をテーマにしたプロジェクト「Be a traveler」も始動した。日本各地のホテルのバーやレストランでオリジナルカクテルなどを提供するほか、音楽家・山口一郎や写真家・上田義彦らが公式アンバサダーとして参加し、「碧 Ao」を通じた旅の体験を発信していく。
SUNTORY WHISKY「碧Ao」