次のボンドカーはどれだ? 007でお馴染み、アストンマーティンが強化する“S”モデルの魅力

  • 文:小川フミオ
  • 写真:Aston Martin Japan
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クルマはプレミアム度が増すほど、同じクルマを持つ他者との差別化をより強く求めるようになる。そんな一般的な傾向があるなか、アストンマーティンも「S」モデルの展開を強化している。そこが興味深い。

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「アストンマーティン青山ハウス」でメディアに公開されたヴァンテージS。シャシーへの詳細な変更が機敏性、ドライバーの一体感、洗練性を向上写真:筆者

2025年に「ヴァンテージS」と「DBX S」、さらに「DB12S」を発表。首を長くして待っていたファンもいるなか、26年2月の終わりにようやく、ヴァンテージSと、SUVのDBX Sの実車のお披露目が行われた。

「Sとは私たちにとって伝統的な名称です」

そう語ったのは、東京の「アストンマーティン青山ハウス」でインタビューに応じてくれた、ヘッド・オブ・プロダクトマネジメントを務めるニール・ヒューズ氏の言葉。

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本社でヘッド・オブ・プロダクトマネージメントを務めるニール・ヒューズが来日。

ヒューズ氏の仕事は、モデルを企画して実現までもっていくことだ。

「Sモデルの起源をたどると、1953年のレーシングカー、DB3Sにたどりつきます。Sとはスポーツであると同時に、“スペシャル”の意味をこめたアルファベットです」

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宝石加工業が集まる英バーミンハムの専門会社の手になる「S」バッジはガラスエナメル加工でうつくしい仕上がり。写真:筆者

彼の言葉どおり、ヴァンテージSとDBX Sは従来のモデルに対して軽量化。同時に、出力を上げ、シャシーに手を入れ、サスペンションを強化し、スポイラーなど空力性能を高めた。これは”スポーツ”の領域といえる。

加えて”スペシャル”の領域として、新意匠のグリル、塗色、手のこんだ内装など、従来モデルとひと味もふた味も違う仕上げがあげられる。 

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ヴァンテージSでは写真のような赤のアクセントラインなどさまざまなカスタマイズが可能。写真:筆者

「アストンマーティンの定評あるスポーツカーの中で最もパフォーマンスにフォーカスしたモデル」とされるヴァンテージS。

4リッターV8ターボエンジンは、ターボチャージャーに手が入り、最高出力が、従来の「ヴァンテージ」の668psから680ps(500kW)へ引き上げられた。

リアサブフレームのマウント、サスペンションはスプリングとダンパーの変更やチューニングの見直しで、ハンドリングと乗り心地のどちらも向上させている。

スポーツカーとしてドライバーとの一体感を高めることに注力し、加速時などよりナチュラルなフィーリングの実現に気が配られたそうだ。 

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青山で公開されたDBX Sは、オプションの23インチ径マグネシウムホイールやカーボンルーフを備えている。写真:筆者

DBX Sでは、4リッターV8の最高出力がDBX707から20ps上がって727ps(535kW)に達している。

やはり軽量化がSモデルの重要な課題で、高価だけど軽量な、レーシングカーなみのパーツが多数用意されている。

たとえば、グラスルーフに代わる炭素樹脂のルーフ、アルミホイールの3分の2の重量という軽量マグネシウムホイールなどがえらべる。 

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4本出しのテールカッターが勇ましいDBX S。写真:筆者

「顧客は人と違うよりエクスクルーシブな仕様を欲しがります」

ヒューズ氏とともに来日したアジアパシフィックおよび中国を担当するリージョナルプレジデントのカール・ベイリス氏は言う。

より特別なモデルであることは、商品力にもつながる重要な要素なのだ。

同時にアストンマーティンでは、多気筒エンジンにこだわる。 

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DBX Sのシートは箔押しのヘリンボーン模様などラグジュアリーからスポーツタイプまで選択肢が多い。写真:筆者

ハイブリッド化は、レースで活躍するハイパースポーツ「ヴァルハラ」(V8プラグインハイブリッド)にまかせて、量産モデルはガソリンエンジンの8気筒と12気筒にこだわる。

「電動化はもちろん視野に入れていますが、いまは顧客自身が8気筒や12気筒を好んでいるので、私たちとしても、まだ多気筒ガソリンエンジン車をつくlり続けます」

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限定生産される「ヴァルハラ」はプラグインハイブリッドシステムをミドシップするハイパーカー。

ベイリス氏は、アストンマーティンの多様なプロダクトラインナップが、ブランドの商品力に寄与すると語る。

もうひとつ、アストンマーティンのブランド力には、007ジェイムズ・ボンド映画も貢献している。

アマゾンMGMによる新作は2028年公開ともいわれているのは、読者もご存知では? 噂によると物語は、若き日のボンドを中心としたものになるとか。 

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「サンダーボール」と「ゴールドフィンガー」というボンド映画にも使われたDB5。(写真:Autopress)

そこでアストンマーティンは、従来のようにボンドカーとして登場するのか。もしそうなれば、どんなモデルが使われるのか。

これもアストンマーティンだからこそ、私たちに与えてくれるたのしみだ。

Vantage S

全長×全幅×全高:4495×1980×1275mm
ホイールベース:2705mm
エンジン:3982cc V型8気筒ターボ 後輪駆動
最高出力:500kW@6000rpm
最大トルク:800Nm@3000〜6000rpm
最高速度:325km/h
0-100km/h加速:3.4秒
本体価格:¥2,760,000

DBX S

全長×全幅×全高:5039×217×1680mm
ホイールベース:3060mm
エンジン:3982ccV型8気筒ターボ 全輪駆動
最高出力:535kW@6250rpm
最大トルク:900Nm@3000〜5250rpm
最高速度:310km/h
0-100km/h加速:3.3秒
本体価格|¥3,590,000

www.astonmartin.com/ja

小川フミオ

モータージャーナリスト

自動車を中心に活躍するジャーナリスト/ライター。自動車誌やグルメ誌の編集長を務めた後、フリーランスとして活動。新車の試乗記をはじめ、グルメ、ホテル、人物インタビューなど、多岐にわたるジャンルの記事を独自の視点で執筆し、雑誌やウェブメディアを中心に寄稿している。

小川フミオ

モータージャーナリスト

自動車を中心に活躍するジャーナリスト/ライター。自動車誌やグルメ誌の編集長を務めた後、フリーランスとして活動。新車の試乗記をはじめ、グルメ、ホテル、人物インタビューなど、多岐にわたるジャンルの記事を独自の視点で執筆し、雑誌やウェブメディアを中心に寄稿している。