スバルが2026年3月5日に発表した新型EV「トレイルシーカー」。ごく簡単に成り立ちを説明すると、EV「ソルテラ」をベースに荷室を拡大し、さらにパワーアップしたモデルだ。

米国市場の要請に基づいて開発したといい、荷室容量は633リッター。ステーションワゴン顔負けの大きさだ。
4月上旬発表予定に先んじて、トレイルシーカーのプロトタイプモデルを試乗した。
トレイルシーカーの荷室は、スバルのラインナップでいうと、実用性でも人気の高い「アウトバック」の561リッターを上回る。

ユーティリティとゆとりあるパワーとAWD性能。スバルではトレイルシーカーの特徴をあげている。
一充電走行距離は、AWDでは690kmとソルテラを超え、前輪駆動モデルでは734kmに達する。
広い荷室と長い走行距離性能がセリングポイントだ。ゴルフバッグは4人分積めるというし、オートキャンプのパートナーにもなってくれるだろう。

加えて「雪国でも安心、安全、快適」とうたう実用性を持つ。
実は、プロトタイプのテストドライブのチャンスが与えられたのは、積雪のクローズドコース(他者が入れない専用コース)だった。
そこを走って、走破性の高さが印象的だった。

ピュアEVと雪道の組合せは、やや違和感があるかもしれない。そんな不安を吹き飛ばそうというのが、テストドライブのねらいだ。
私が乗ったのは、AWDモデル。フロントのモーターの出力は167kWでソルテラと同じである一方、リアはソルテラAWDの88kWに対して167kWに引き上げられている。
「なぜ雪上ドライブを選んだのですか」とあえてスバルの開発者に尋ねると、「日常、非日常ともに使いやすい、スバルらしい実用性を体験してもらいたかったから」と答えが返ってきた。
群馬サイクルスポーツセンターを舞台に、スノードライブのためのコースを、スバルでは設営。

積雪でスキー競技のモーグルのように凹凸が連続する路面。凍結したカーブ。雪が取り除かれて舗装路面が剥き出しの直線路……。
一般道でもありそうな組合せだ。路面によって摩擦係数が異なるため、ドライブはちょっと神経をつかう。
舗装路面では思いきり加速できるが、そのままの速度で積雪路に突っ込んだら姿勢が不安定になるのは目に見えている。
前輪のグリップ具合を感じながら、アクセルペダルを踏み込んでいく必要もある。

どの場面でも安定感が高い。きついカーブでリアが滑りだしても、すぐに安定する。
トレイルシーカーの全輪駆動システムは制御が改良されているとうたわれている。なるほど、そういうことか。
「走行軌跡予想制御」で、特にカーブでは、ドライバーが望むラインに近づけるよう、ステアリングホイールの舵角などから車両が判断して、車輪の回転差などを調整する。

「X-MODE」(エックスモード)に設定されたドライブモードを切り替えることで路面に応じて適切な駆動力が得られる。これもスノードライブで効果を発揮。
路面がでこぼこしている道や、滑りやすい路面を走行する際、一定の車速を維持する「グリップコントロール」も、トレイルシーカーのユーザーに評価されるポイントでしょうとスバル。
2026年末までにバッテリー駆動のSUVを4台ラインナップするのが、スバルの計画だ。
ソルテラとトレイルシーカーに加え、ソルテラより全長を170mmを短くした「アンチャーテッド」が発表されていて、さらももう1台が控えている。

「いつなにが起きるか分からない変化の激しい市場環境に、”柔軟性”と”拡張性”をもって応えていく」ことが重要と、スバルの広報担当者は言う。
「そのためには、ICE(エンジン車)とBEV両方の商品ラインアップが必要と考え、商品開発を進めています」
それにBEVで開発した技術をICEに転用することもありうる。両方を開発することは、メリットが大きいんだそう。そこ、よくわかりました。
スバル トレイルシーカー(AWD)
全長×全幅×全高:4845×1860×1670mm
最低地上高:210mm
ホイールベース:2850mm
電気モーター 4輪駆動
駆動用バッテリー容量:74.7kWh
システム最大出力:280kW
一充電走行距離(WLTC):627km
充電時間:28分(10ー80%)
価格:未定










