【「ディフェンダー ダカール D7X-R」が初参戦!】 ダカール・ラリー2026参戦(同行?)記

  • 文:島下泰久
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2週間で5000キロを走破する、ラリーレイド競技の最高峰、ダカール・ラリー。1月3日から2026年度のシリーズ開幕戦として行われた過酷なレースに、モータージャーナリスト島下泰久が参戦(同行)!

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タイヤが埋もれるほどの砂地を行く「ディフェンダー ダカール D7X-R」。砂地、荒地、河川が干上がった後の岩が敷き詰められたようなガレ場など、コースはひたすら悪路が続く。

年明け早々に成田から飛行機を乗り継いでサウジアラビアの紅海沿岸の都市ヤンブーを訪れたのは、ディフェンダーの初めてのダカール・ラリーへの挑戦に立ち会うためだった。今回から車両規則が変更になり、市販車クラスに新設されたストッククラスにエントリーしたのは3台の「ディフェンダー ダカール D7X-R」である。

当初はパリをスタートし、セネガルの首都ダカールまでアフリカ大陸を縦走するルートを通っていたことから、今でも“パリ・ダカ”として浸透しているダカール・ラリーではあるが、近年は競技の舞台を世界中に拡げている。2026年大会が開催されたのは、昨年に引き続いて国土の大半を砂漠が占めるサウジアラビア国内。総走行距離約8千km、SSが約5千kmというコースを全開につぐ全開で駆け抜けて、約2週間かけて走破する過酷な競技で、参加可能な車両はトップカテゴリーのバギーのほか市販車、カミオン(トラック)など多彩。しかも四輪だけでなく二輪も同じコースを走る。 

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サウジアラビアは国土の大部分を砂漠が占める。冬の間は日中こそ最高気温25℃前後まで上がるが、夜間は5℃近くまで下がるため防寒着は必須だ。

過酷なレースに耐える、特別仕様の出走車

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ディフェンダー ダカール D7X-RのベースはV型8気筒4.4ℓツインターボエンジンを積むディフェンダーOCTA。オールアルミ製モノコックボディは市販車そのままだ。

ここに挑戦する「ディフェンダー ダカール D7X-R」のベースになっているのは、V型8気筒4.4ℓガソリンツインターボエンジンを搭載し、オフロード性能を極限まで引き上げたディフェンダーOCTAである。その開発はWRCなどのラリーで豊富な経験を持つイギリスの名門プロドライブの協力を得て行なわれた。

スタートを翌日に控えたビバークで対面した「ディフェンダー ダカール D7X-R」をじっくり観察する。オールアルミ製のモノコックボディや、強力なパワートレインは市販車そのまま。本当に量産ラインから抜き出してきたものだという。一方、オフロード用タイヤに合わせてトレッドを拡大した専用のサスペンションやロールケージなどの安全装備、そして最長800kmを一気に走り切るSS(競技区間)に備えた容量550ℓにもなる燃料タンクを備えるのが、その特徴だ。

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最長800kmにもなるSS(競技区間)を走り切るための実に550ℓにもなる燃料タンクを搭載。そのため車体は徹底的な補強が施されている。

今回のディフェンダーのチャレンジで重要だったのが、この市販車との強い結び付きという部分である。競技専用車ではなく、実際にユーザーが手に入れることができるディフェンダーで過酷なラリーを戦い、そして勝利する。これによるブランドイメージ向上こそ狙いなのだ。実際、車名に敢えて量産モデルの開発コードである「D7X」を入れているのも、そうした理由に拠るものである。

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車両テストチームはラリー本番までの短い準備期間の中で、砂漠を目指してモロッコなど世界各地を訪れたという。

さて、では結果はどうだったのか。1月3日にスタートしたラリーは、初日の「プロローグ」で「ディフェンダー ダカール D7X-R」が1位から3位までを独占して注目を集めたが、さすがに初戦ということもあり途中にはトラブルに見舞われることも。実際、コース上で車両をジャッキアップして重整備を行なう場面すらあったが、結果的に2週間後のゴールでは全車完走を果たしストッククラスの1、2、4位を占めてみせた。結果は上々だったと言っていいはずだ。

ディフェンダー(量産仕様)で、砂漠を疾走

実はそんなディフェンダーを、私自身も砂漠でドライブすることができた。もちろん乗ったのは「ディフェンダー ダカール  D7X-R」ではなく、2026年モデルの量産車だけれども。

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砂漠のど真ん中でのランチタイムの際に撮影してもらった最新モデルのディフェンダーとのショット。

走り出す前に気になっていたのは、ディフェンダーのオールアルミ製モノコックボディがどれほどの堅牢性を示すかということだった。しかしながら心配は杞憂だったと言うべきだろう。

砂漠の路面は刻一刻と変化して、赤土の荒野もあれば砂利道も、砂利どころか岩が敷き詰められたような険しい道も現れる。もちろん、砂丘もだ。ディフェンダーの車体は盛大に揺すられ、突き上げられ、跳ねては落とされる。まだそれほど距離を重ねていないクルマなのに、床下には小石も、もっと大きな岩もガンガン跳ねて当たってくる。

それでも車体はきわめて強靭で、捻れるような感覚なども一切ナシ。あらゆる入力をガッチリ受け止めてくれる。「やっぱりオフローダーの車体はフレーム構造じゃないと…」なんて考えは、もう古い。そんなことを思わせる堅牢性と、そして洗練ぶりである。豊かなストロークを活かしてしなやかに動くサスペンションも、高い走破性にひと役買っている。四輪は常にしっかり大地を踏みしめていて、安心感は半端じゃない。

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最新の2026モデルから追加されたウールストーングリーンのボディカラーをまとっていた試乗車。ルーフテント、オーニングも備えた本格キャンプ仕様だった。

快感だったのが、やはり砂丘での走りだ。砂に埋れないようアクセルを踏み込み、車輪を空転させ気味にして入っていく。但し、踏みすぎは禁物。砂を掘って埋まってしまうかもしれないし、丘を超えたところで勢い余ってコントロールを失うことも考えられる。砂の中ではステアリングだって思った通りに切れるわけではないから、操縦は大胆に、けれど慎重に行くのがカギになる。

ドライバーを冒険へ誘う、ディフェンダーの性

もちろんダカール・ラリーを走る「ディフェンダー ダカール  D7X-R」に較べれば、取るに足りないペースだったに違いない。しかしながらステアリングを握っていると、まさにこちらも紛れもないアドベンチャーの気分。実際にいま、自分が操っているのはダカール・ラリーを制したクルマなのだと考えると、自信が漲ってくる。おそらくは、こうやって乗り手を冒険に誘うのがディフェンダーというクルマの性なのだろう。

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事前に入念なテストを繰り返して本番のダカールに乗り込んだディフェンダー。クルーはこの時点で高い戦闘力を確信していたという。

今年から始まったストッククラスは、多くの自動車メーカーの関心を引き付けており、2027年大会にはより多くのエントリーが見込まれている。ディフェンダー陣営としても、それは望むところのようで、ますます盛り上がるストッククラスで2027年も、そしてその先も、ライバル達の挑戦を受け、そして勝利を目指すつもりだ。

ディフェンダーには、やはり冒険というシーンがよく似合う。ダカール・ラリーへの参戦は、改めてそれを強く実感させたのである。

ディフェンダー


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