今アメリカのZ世代に広がる、「クォータージップ・ムーブメント」をご存知だろうか。11月初旬に、21歳の黒人TikTokクリエイター、ジェイソン・ギャムフィが投稿した1本の動画が、3000万回再生されるバイラルヒットに。
この動画でジェイソンは、今までは「オジサンアイテム」として見られていた“クォータージップセーター(胸元にジップが付いたデザインのニット)“を身に付け、コーヒーチェーンBlank Streetの抹茶ドリンクを飲みながら、「私たちはナイキテックを着ません。私たちはコーヒーも飲みません。この辺りでは、クォータージップニットと抹茶なんです。私たちは人生をアップグレードして、今は眼鏡をかけています」とカメラに語りかけている。
この服装は金融系で働く裕福な白人男性の典型的なスタイルで、「ナイキテック」と呼ばれるナイキのナイロンのスポーツアウターを着た黒人男性を象徴するイメージとは一線を期している。それがこの動画のポイントだ。クォータージップニットはクラスやステイタスに清潔さ、社会人としての責任感などのメッセージを伝えるアイテムであり、コーヒーではなく抹茶というセレクトも、シックで落ち着いたライフスタイルをイメージさせるもの。
この動画はあっという間にTikTokで拡散され、若者たちはクォータージップニットを着てオフラインで集まる「クォータージップ・ムーブメント」と呼ばれるブームを生み出した。これはZ世代の男性にとって彼らが「大人」にアップグレードしたことを示すファッションで、特に若い黒人男性たちは自分たちのことをクォータージップを着た「YG(若い紳士)」だと冗談めかして呼んでいるという。
その数週間後にN.Y. の廃墟となった地下鉄駅で開催された、シャネルの2026SSのショーでも、クォータージップニットを纏ったルックが多数登場。すでにジェニファー・ローレンスやASAP・ロッキーなどのセレブたちもクォータージップを取り入れている。米Webメディア『アフタースクール』の報告によると、18歳から24歳までの間で、この四半期にクォータージップの売上は25%増加したとも。
重要なのは、これが単なるモード界のトレンドではないということ。別の白人男性TikTokerはメガネをかけて「男性は一度クォータージップを着用すると、このように行動し始めます」と語りかけ、群れて出かけたりせずにネットワークでつながることを好み、インスタグラムのダイレクトメッセージではなくeメールで女性に連絡すると説明。
別のTiktokユーザー@missshaytartは「彼らはギャングスタイルの象徴だったナイキテックを処分し、それをクォータージップと交換しています。多くの若い世代がそうしています。私はこれを見てとても感謝しています」とコメントし、米Newsweek誌が取材したTikToker、@iamtamunoによれば、「人々はコミュニティでその物語を変える準備ができています。クォータージップは階級、地位と富、清潔さ、健康的な食習慣に関連しています。コミュニティは変化に飢えていて、これはそのための足がかりのように見えます」という。
ファッションを超えて若い世代に支持されるクォータージップ・ムーブメント。「クォータージップ・ルネッサンス」と呼ぶメディアもあり、これはよりクリーンで上品な生き方をよしとする、彼らのステートメントなのだ。
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@whois.jason @Richdafifth life different when u gotta quarter zip #matcha #quarterzip #performative #niketech ♬ original sound - Jason Gyamfi
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