【火を灯す30分間の香り】イソップが日本に注文したお香3型。すべて試して気づいたデイリーな使い道

  • 写真・文:一史
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強くつまむとパキッと折れてしまうデリケートなお香を小さな台座の穴に差し、先端にゆっくりと火をつける。
キャンドルのように燃えたら、手を振って風を起こし炎を消す。
燃え続ける先端から立ち上る煙が、穏やかな香りを空間に広げていく。

皆さんは室内でどんな香りのグッズをお使いでしょうか?
ルームスプレー、スティックや電気のディフューザー、フレグランスキャンドル、香水??

そんななかで独特の立ち位置にあるのがお香です。
セットして香らせるまでに儀式のようなプロセスが必要で、「さあ、使うぞ」という明確な意思を伴う品。
燃える素材の焦げた香りがずっと続きます。
瞑想に向くとされる精神的な空間を生み出すのもお香の力です。

ストイックな世界観のイソップにお香があるのも、彼ららしいスキンケアならぬ心のケアと考えると自然な発想に思えます。
西洋人がヨガや瞑想をしながら焚いている光景が目に浮かぶ。
全3型のイソップのお香「アロマティック インセンス」はすべて日本製。
世界販売の製品を作るにあたり、仏教とともに飛鳥時代(聖徳太子のころ)に伝来して独自の発展を遂げた日本に白羽の矢が当たったのでしょう。
「禅」のイメージも大きく貢献していそうです。

アロマティック インセンスは3型の香りの名称がそれぞれ日本語。
さらに素晴らしいのがパッケージで、あたかも枯山水の庭のような佇まい。
ひと手間掛かるお香を使おうとする人の気持ちを高めてくれる見事なパッケージです。

このたび全3型を入手しましたので、試した実感をここにご紹介。
「家のなかでこの場所が合う」と思う自分なりの使い道もお話します。

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濃いオリーブグリーンの外箱を外した中身。
約13.5cm(実測)×33本入りです。
イソップ公式オンラインストアでは150mm(15cm)と記述されてるものの、3型すべて13.5cmでした。
まぁ誤差ではありますが。

白く丸いのは軽石のインセンスホルダー。
挿して使う土台です。
製品に同梱されてると便利なんですよねー。
細さが様々なお香はホルダーの穴により挿せないこと、ゆるく倒れてしまうことがままあり。
専用品がベストですし、ギフトにもしやすいです。

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蓋もクッション代わりの凹凸をつけた繊細な構造。
パッケージの材質はたぶん紙だと思いますが、薄いベニア板のように厚く積層されてます。
木材を想起させる薄茶の色が美しくて、日本家屋の格子の扉や窓に通じるグラフィック表現です。

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3型、上から「カゲロウ」「サラシナ」「ムラサキ」。

カゲロウ:グリーン、ハーバル、ウッディ
サラシナ:ウッディ、温かな、甘い
ムラサキ:ウッディ、スパイシー、樹脂

そのように香りが説明されています。
パッケージの色は日本的な苔や土のよう。

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華奢で繊細、そんな印象のお香です。
見た目も香りそのものも。

調香した人物はイソップのフレグランスの大半を手掛けているバーナベ・フィリオン。
近年は作家性を打ち出したヒトクセあるオードパルファムを世に送り出しています。
ではこのお香3型はというと、お香らしいフィールドに寄り添ったもの。
優しく穏やかで、鼻にツンと来ません。
どんな場所でも使いやすいのではないでしょうか。
製品による香りの違いは少ないと感じました。
どれを選んでも間違いないでしょう。

燃える持続時間は、室内で30分弱。
長すぎず短すぎずのいい時間だと思います。
途中で消したいときは、先端だけを水にジュッと漬ければOK。
渇きが早く再び火を点けられます。

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わたしは家にあった美濃焼の器で使ってます。
たぶん茶碗です(用途のこだわりがない人間)。
お香は下に落ちる灰の受け止めと、燃やす安全のために容器が必須。
一般的に専用の受け皿は、文字通りの皿状がほとんどです。
でも灰が周囲にちらばりやすい、掃除などで容器を移動させるとき灰がこぼれやすい、との理由でお椀にしてます。
これだと灰が滑り落ちて中心部にだけ溜まるから、見た目もキレイでいいですよ。

では最後に、お香全般を最近使いはじめたわたしがもっとも活用している場所の話を。
え〜、トイレです w
煙の臭い吸着作用、臭いの上書き作用が効果的なことに気づきました。
トイレって楽しくない時間なだけに、むしろ快適さへの工夫が大切。
エリアをここに限定させることで、部屋で使う別の香りとの差別化もできますしね。

「イソップを芳香剤のように使うのはもったいない」、という意見もごもっとも。
ただわたしの生活空間はほぼ仕事場であり、この製品が似合うほどお洒落じゃないんですよ(泣)。
部屋を暗くする写真撮影のときはともかく、明るい室内のパソコンで原稿を書くときは焦げた匂いと煙がしっくりこなくて、香りがほしいならフレグランスをカーテンに吹き付けたりします。
そんな理由でお香の自分ベストな置き場所がトイレという結論に。
揺れる煙をのんびり眺めるのも気分転換にちょうどよく。

一箱4,950円のイソップ アロマティック インセンス。
皆さんならわたしよりずっと適した使い道を思いつき、生活に役立てられるはず!

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
ご相談はkazushi.kazushi.info@gmail.comへ。

高橋一史

ファッションレポーター/フォトグラファー

明治大学&文化服装学院卒業。文化出版局に新卒入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。文章書き、写真撮影、スタイリングを行い、ファッション的なモノコトを発信中。
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