Photo:Ton Ponchai/Shutterstock※写真はイメージです南米ボリビア中央部に位置するトロトロ国立公園で、約6600万年前のものとみられる恐竜の足跡が大量に確認された。
足跡が見つかったのは「カレーラス・パンパ」と呼ばれる場所で、露出した岩盤の表面に多数の痕跡が刻まれている。これらは現地調査を続けてきたカリフォルニア州ロマリンダ大学を中心とする国際的な古生物学者チームによって記録された。
研究チームは2018年以降、6年間にわたり定期的な現地調査を実施。堆積物の除去、測量、写真測定を重ね、足跡を一つずつ科学的に確認した。その結果、確認された足跡の数は1万6600個以上にのぼり、単一地点で特定された恐竜の足跡としては世界最大級の規模となった。この研究成果は学術誌「PLOS One」に発表された。
足跡が語る恐竜の行動
記録された足跡の大半は、二足歩行の肉食恐竜である獣脚類(テレオポッド)によるものと分析されている。足跡の大きさや形状にはばらつきがあり、小型から大型まで複数の個体がこの場所を利用していたことがうかがえる。足跡は連続した歩行線として残るものも多く、恐竜が一定の方向に移動していた様子が読み取れる。
「恐竜の通り道」としてのトロトロ
足跡が集中している地層は、白亜紀後期に形成された浅い湖や湿地帯の環境だったと推定されている。複数の方向から重なり合うように足跡が残されていることから、この場所が一時的な通過点ではなく、長期間にわたり恐竜たちが繰り返し利用した「通り道」であった可能性が高い。
同一地点で足跡の大きさに明確なばらつきが確認されており、成体と若い個体が同じ場所を利用していた可能性が示されている。これは環境条件が安定し、恐竜にとって移動しやすい地形であったことを示唆している。骨格化石では捉えにくい、恐竜の日常的な行動がこの場所に記録されている。
研究の意義と評価
今回の発見が重要なのは、数の多さだけではない。白亜紀末期、恐竜が絶滅する直前の時代の姿を現在に伝えている。
足跡という痕跡化石は、恐竜が「どのように生き、どのように動いていたか」を直接的に示す資料である。これほど大規模かつ保存状態の良い足跡群は、恐竜の行動生態や当時の環境を復元する上で極めて貴重だ。
研究チームは今後も詳細な解析を進め、恐竜の移動様式や集団行動、環境との関係をさらに明らかにしていくとしている。岩盤に刻まれた足跡は、地球史の一断面を雄弁に物語っている。
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Millions of years ago, dinosaurs hightailed their way across what is now a national park in Bolivia. https://t.co/yLpg6UqwR6
— Smithsonian Magazine (@SmithsonianMag) December 11, 2025