「季節感がない」英国国王夫妻のクリスマスカードに批判殺到

  • 文:宮田華子
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shutterstock_2609439571(大).jpegPhoto:Alessia Pierdomenico/Shutterstock※写真はイメージです

チャールズ国王とカミラ王妃が2025年の公式クリスマスカードを公開した。例年、王室のクリスマスカードは英国王室の伝統行事として広く親しまれ、冬の挨拶やその年の象徴的な写真を世界中の支持者に届けるものだ。王室関係者や外交筋、慈善団体にも送られるこのカードは、英国の国民的行事としてクルスマスシーズンの風物詩になっている。

「伝統」としての王室クリスマスカード 

英国王室は長年にわたり、クリスマスカードを毎年発行してきた。かつては故エリザベス女王が家族全員で写った写真を使用し、チャールズ国王がコロネーション(戴冠式)を行った年はバッキンガム宮殿で撮影されたポートレートを使うなど、年ごとのアプローチは様々だ。こうしたカードは、王室と国民をつなぐ象徴として、写真と簡潔ながら心のこもったメッセージを届ける伝統となっている。

今年の“非クリスマス風”写真が波紋

今年のカードは12月初旬に公式発表されたものだが、その写真がSNS上で大きな話題になっている。カードに使われた写真は、2025年4月にイタリア・ローマで行われた国賓訪問の際、ヴィラ・ウォルコンスキーで撮影された一枚である。これは、同時に夫妻の20周年の結婚記念として撮られた写真でもあり、公式メッセージには「Wishing you a very Happy Christmas and New Year(クリスマスと新年を心からお祝いします)」と簡素な文章が添えられている。

この写真に対し、メディアやSNSユーザーの反応は様々で、特に批判の声が注目を集めている。最も多いのは「写真がクリスマスらしくない」という指摘だ。華やかな装飾や季節感がなく、冬らしい小物や背景が一切見られない点についてのコメントが多い。例えば、王と王妃が冬の装いをしていないこと、そしてイタリアの春に撮影された写真を冬の挨拶に使うことに違和感を持つ人も少なくない。

英大手紙のロイヤル関連記事では「写真が季節感に欠ける」とのファンからの意見が紹介されており、SNSでは「もっとクリスマスらしい写真にすべきだった」といったコメントが飛び交っている。

肯定的な声もある 

もちろん、全てが否定的な反応というわけではない。ロイヤルファンの中には「2人の仲睦まじさがにじみ出ている」という肯定的な声もある。また、結婚20周年という節目のタイミングで撮影された写真をクリスマスカードに選んだことを、「心温まる選択だ」と評価する声も見られる。海外のインスタグラムやロイヤルファンページでは、「暖かいメッセージ」「季節の挨拶として十分だ」といった書き込みも確認されている。

なぜ国王夫妻だけ批判されているのか?

興味深いのは、ウィリアム王子とキャサリン妃の家族が、毎年必ずしも季節感のある写真を使っていないにもかかわらず、同様の批判を受けにくい点である。実際、過去の王子一家のクリスマスカードには、夏に撮影された私服姿の写真や、自然光の中でのカジュアルな家族写真が何度も使われてきた。 

それでも大きな反発が起きにくい理由として、「立場の違い」があるのだろう。将来の国王一家であるウィリアム王子一家には、“親しみやすさ”や“現代的な家族像”が期待されている。一方、現国王夫妻には、より強く「伝統」や「象徴性」が求められる。

さらに、チャールズ国王はイングランド国教会の首長でもある。クリスマスという宗教的意味合いの強い行事に対して、形式や季節感を重視すべきだという意識が根強い。こうした背景が、写真一枚への評価をより厳しいものにしている。

カード批判は人気の表れ?

批判も含め、毎年大きな話題となる国王夫妻のクリスマスカード。それだけ一枚の写真に注目が集まるのは、ロイヤルファミリーが今なお特別な存在である証だろう。賛否を呼びながらも語られ続けること自体が、王室の変わらぬ人気と影響力を物語っている。

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こちらが話題となった今年の国王夫妻のクリスマスカード。確かにクリスマス感はゼロ。@RoyalFamily - Xより

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こちらはウィリアム王子&キャサリン妃一家の、2025年クリスマス用写真。4月撮影&後ろに水仙が咲いているものの、暖かそうな服装をしているので何となく「寒い季節感」は漂っている。@KensingtonRoyal - Xより