日本で最も古い歴史を持つ劇場・京都 南座で、八代目尾上菊五郎、六代目尾上菊之助の襲名披露を記念した祝幕が披露された。これは日本のデザイン界の巨匠・永井一正と日本デザインセンターがフランスの老舗トランクメーカー・モワナとのコラボレーションにより生まれたオリジナルアートワークだ。親子の象徴でもある歌舞伎演目『連獅子』と、モワナの「M」モノグラムで表現された富士山がビビッドな色彩で描かれている。
京都 南座の祝幕の前にて、八代目尾上菊五郎(右)、六代目尾上菊之助(左)。photo: Momo Angela
1960年に日本デザインセンターを共同設立した永井は、現在同センターの最高顧問を務めている。これまでに1,000点をこえるポスター作品を手がけ、なかでも80年代から現在まで続く代表作『LIFE』シリーズは、生命の不思議さや多様さ、人と自然が共生することの根源に迫りたいとの思いが込められている。今回の祝幕には連獅子のモチーフが取り入れられている。「伝統を守りながら新たな創造性を絶えず取り入れ、いかにそれが世代を超えて受け継がれていくかを表現したかったのです」と永井は言う。
南座での祝幕のお披露目を記念し、ドーバー ストリート マーケット ギンザにてモワナの「Landscape Edition」限定コレクションが12月25日(木)まで限定発売中。パリのアトリエで1点ずつ手作業で仕上げられた各ピースに、モワナの「Mコレクション」キャンバスを重ね合わせ、永井が描き下ろしたアートワークをあしらった特別なアイテムだ。
2025年12月1日、京都 南座で公演初日を終えた八代目尾上菊五郎は「私たちはまさに、伝統と革新の交差点に立ち合っています。現代美術の巨匠・永井一正氏、170年以上の歴史を持つフランスのメゾン・モワナのサヴォワフェールに支えられた伝統の技術、そして400年の伝統を誇る歌舞伎とのコラボレーションが実現したのです」と語った。時代や国境を超えて響き合う夢の協業に注目したい。