スキー人気の高いオーストラリアで、世にもめずらしいインドア型スキー施設が誕生する。2027年開業予定の「スノートンネル・パーク」は、まるでハムスターの回し車のようなリングの中に人間が入り、無限の距離を滑走できる新発想のスキーパークだ。
「終わりのない山」を実現する回転式スキー場
スノートンネル・パークは、複数の施設を備える。よくある室内ゲレンデに加え、雪遊びゾーンや用具レンタルサービスを併設。暖炉を備えたアルペン風のフード&ドリンクエリアからは雪景色を眺めることができ、スキーの前後にも充実の時間を楽しめる柔軟性を意識した。
パークの目玉施設ともいえるのが、ハムスターホイールを想起させる「スノートンネル」だ。米スキー・スノーボードメディアのパウダー誌の解説によると、ハーフパイプを2つ対称に組み合わせたような、円形のチューブ空間となっている。回転することで、「終わることのない山を実現する」仕組みだ。
直径は4階建ての建物に相当
スノートンネルは圧倒的スケールを誇る。ニューアトラス誌によると、回転する円筒形トンネルは直径12.5m、幅16mに達し、「平均的なスキー場のコースと同じ幅」を確保した。設備の高さは4階建てマンションに匹敵する。
最速で毎分8〜9回転し、滑走速度は50km/h相当に達する。経験豊富なスキーヤーにとっても、本格的な滑走環境として不足ない数値だ。
一方で、初心者にも対応。歩くよりもゆっくりとした速度からスタートでき、専用の補助装置も使用できる。回転速度を細かく制御することで、あらゆるレベルのスキーヤーに対応できる仕組みだ。
雪面は本格派仕様になっている。ニュー・アトラスによれば、トンネル内には常時70〜100mmの新雪が確保される。岩や丸太など天然の斜面にありがちな凹凸を覆い隠す必要がないことから、この厚みでも十分な滑走環境が確保できるという。
パイプ内を駆ける感覚は「サーフィンのよう」
スノートンネルは一般的なスキー場に比べ、土地の広さも初期コストも大幅に抑えられる。それでいて斜面は実質的に無限に続き、丘の麓に達するたびにリフトで山頂に戻る必要はない。
ニュー・アトラスによると、開発者のスコット・ケスラー氏は、「回転の力を使います」と説明。トンネルの回転にあわせて、利用者は高みへと引き上げられては底部へ滑りを繰り返す。波状に上り下りを繰り返す感覚は、「サーフボードで波に乗るのにも似ている」と同氏は表現する。
スノートンネルでは人工雪発生器から雪を積もらせ、安定した雪面を作り出している。開発にあたり最大の技術的課題は、回転中に雪が利用者の上に落ちてこないようにすることだった。ケスラー氏は詳細を明かさないものの、「秘伝のソース」と称する特殊技術により、トンネル表面に雪をキープすることに成功した。テーマパークの乗り物に求められる安全基準をクリアした独創的なシステムだという。
具体的な設置場所は来年発表される。オーストラリアの都市部や山から遠い平野部に設置されれば、手軽なレジャー・練習施設として人気を集めそうだ。
---fadeinPager---
@dailymail A huge revolving ski slope in the style of a hamster wheel will soon let people take to the snow regardless of the climate. Set to open in Australia in 2027, the indoor 'Snowtunnel' will stand at a colossal 41ft high and 52.5ft long (12.5 metres by 16 metres). Snowtunnel will be the 'world's first endless mountain riding, real snow experience' for both experienced skiers and novices, say its creators. Find out more at Daily Mail. #skiing #adventure #australia #snow ♬ original sound - Daily Mail