【沖縄の島々が香る常備酒】黒糖と潮風を感じるアイランズラム。家飲みを豊かにする一本

  • 文:西田嘉孝
  • 写真:榊 水麗
  • イラスト:阿部伸二
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瑞穂酒造/ザ オキナワ  アイランズラム

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沖縄の離島8島(粟国島、伊江島、伊平屋島、西表島、小浜島、多良間島、波照間島、与那国島)の黒糖を原料に、自社のさとうきび畑で採取・分離された独自の酵母で発酵、2回の蒸溜とブレンドによって仕上げられたホワイトラム。通常は廃棄される蒸溜残液を再利用する日本初の「ダンダー仕込み」でつくられるラムは、風味豊かで爽やか。黒糖のほかにもマスカットやハチミツ、ナッツなど、さまざまな香味が楽しめる。720mL ¥2,920/瑞穂酒造TEL:098-885-0121

ロンドンのバーや「フグレントウキョウ」でバーテンダーとして活躍し、2022年に立ち飲みリカーショップ「NOMURA SHOTEN(野村商店)」をオープン。翌年にはバー「QUARTER ROOM(クオーター・ルーム)」も開き、現在はふたつの店に立ちながら、焼酎やラムなどのプロデュースやコンサルティング、酒類ブランドの顔役となるアンバサダーの仕事まで、バーテンダーの枠を超えた活動を行う野村空人さん。

「プライベートでよく飲むのは、ゆっくりと楽しめる蒸溜酒。家では妻や家族と食事をしながら飲むことが多いので、みんなでシェアしやすいお酒を選ぶことが多いですね」

そう話す野村さんの“自腹酒”は、「ザ オキナワ アイランドラム」。泡盛づくりの技やさとうきび栽培、各島でつくられる黒糖など、沖縄に根付く伝統産業に光を当てた、「ワンラム」プロジェクトから生まれたホワイトラムだ。

「黒糖の風味など、味わいのメインとなるところがしっかりしているから、シンプルに炭酸で割るだけでおいしく飲めるんです」

沖縄の離島8島の黒糖を使ったこだわり尽くしのラムながら、手に取りやすい価格も家飲みにはうれしいポイントだ。

「カクテルが好きな人なら、好みでコーヒーリキュールと割ったり、夏場ならシュガーを黒糖に変えたモヒートなど、簡単なカクテルにして飲むのもお薦めです」

さまざまな料理だけでなく、和洋問わずスイーツにも合わせやすく、食中酒としても万能。とはいえ、自宅ならとことんシンプルに。黒糖らしさがあふれるラムを、「黒糖をボリボリかじりながら飲む」のが、野村さん流の楽しみ方だ。

沖縄の潮風と、そこでつくられる黒糖の風味が薫るアイランズラム。家飲みの楽しみを広げてくれる、常備したくなる一本だ。

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シンプルかつ最高な黒糖×黒糖のマッチング

島ごとに個性が異なる黒糖を使ったラムには、黒糖そのものが最高のおともに。黒糖を使ったチョコレートはもちろん、羊羹など和のスイーツとも抜群の相性を見せてくれる。

野村空人

1984年、東京生まれ。合同会社RIKU KAI KU代表。店舗運営や商品・店舗のプロデュースなどを通じ、バーやドリンクと食の可能性を拡張する挑戦を続けている。NOMURA SHOTEN●東京都台東区三筋2-5-7 TEL:03-6820-2854