メルセデス・ベンツ新型GLBが登場。7人乗りSUVが進化、EVと新ハイブリッドで使い勝手はどう変わった

  • 文:小川フミオ
  • 写真:Mercedes-Benz
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かなりユニークな発表会があった。オーストリアの雪山で、メルセデス・ベンツのSUV「GLB」のお披露目が行われたのだ。

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ハイブリッドモデルは新開発の1.5リッターエンジン搭載で、前輪駆動と全輪駆動の2タイプ。写真:筆者

時は2025年12月。ホッホグルグルなるスキーリゾートが舞台。太陽が沈んだあと、気温が零下に落ち、強めの風が吹くなか、ぱっと明るい照明が点くと、新型GLBが姿を現した。

私は凍えそうだったが、登場した2台を見て興奮してしまった。1台はピュアEVの「GLB with EQ Technology」、もう1台は新開発のエンジンを使ったハイブリッド「GLB」だ。

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ホッホグルグルなる雪山において、夜、メディア向けのお披露目が行われた(グリルに違いがある)。

とりわけ無数の星がきらめくような専用グリルが美しく見えた。

実際は「スリーポインテッドスター」を模した94個のLED。それがきらめいているのだ。中央のメルセデス・ベンツのおなじみのエンブレムもLEDで光を放っている。

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キラキラと輝くグリルが選べる。写真:筆者

SUVであるGLシリーズ中、もっともコンパクトである故に、日本で人気の高いGLB。EV版のディメンションは、従来の「EQB」より少し大きめだ。

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4MATIC車は特に雪上での走行も得意科目。

 全長で48mm長く、全幅で27mm幅広く、全高は14mm低くなる。ホイールベースは60mm延長された。

「雪中での発表の理由ですか? すぐれた4MATICシステムによって、スキーだろうとキャンプだろうと、どこでも行ける機能性を強調するのにもいい場所です」

ドイツのメルセデス・ベンツ本社からやってきた開発担当者は、オーストリアでの発表会の理由をそう語った。

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2列シート車だと荷室容量は540リッターと広い。

なにより強調されたのは、日常生活における使い勝手。

「これまでのGLBのなかで、もっとも機能的で、もっとも快適で、もっとインテリジェント(装備が豊富)」

ホッホグルグルでのお披露目の席で、担当技術者はこのように説明した。

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後席の乗降性を向上させたのも新型GLBの特徴。写真:筆者

「7人乗り仕様もあって、ヤングファミリーや大人数の友人たちにぴったりのモデル」

GLBを紹介するプレスリリースでも、最初の一文が上記のようなのだ。

「後席へのアクセス性が向上し、シートの(前後スライドやフォルディングの)機能が上がり、荷室は広くなり、しかもオフロード用のテレインモードを備えました」

室内が広く、荷室が大きく、そして燃費が向上し、さらに全輪駆動の設定があるので、家族でどこへでも行けるクルマとうたわれる。

とくに重要な荷室容量は、2列シート車で540リッター、3列シート車でも480リッターと広い。 

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大きな容量のフランクをそなえる。

加えて、GLB with EQ Technologyは、エンジンがないぶん、それをフランク(フロントトランクの造語)に充て、127リッターもの容量がある。旅行用のキャリーオンなど収まりそうだ。

もうひとつの特徴はパワートレイン。バッテリー駆動のEVでは、一充電あたり600kmに及ぶ走行距離を誇る。一方、ハイブリッドも新しい。

新開発の1.5リッターエンジンとギアボックスの間にモーターを組み込んだ設計で、メリットとしてモーターだけの走行ができることをメルセデス・ベンツでは強調している。

低負荷(アクセルペダルを踏み込まない加速)時や、時速100kmまでの領域では、エンジンを駆動系から切り離して、モーターで走行するような機構だ。

ホイールベースは2889mmと長い。後席に腰かけると足元の空間的余裕がたっぷり。頭上もスペースがある。

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158個の“星”が輝く「スカイコントロール・パノラミックルーフ」もオプションで用意される。

ちなみにオプションで「スカイコントロール・パノラミックルーフ」というグラスルーフが選べる。

透過率が一瞬で変えられるうえ、後席から視線を上げると、158の“星(スリーポインテッドスター)”が輝いて見える。

3列仕様もあり、4つのチャイルドシート装着が可能というファミリーのための「エブリデイ・ヒーロー」(メルセデス・ベンツ)にとって、乗っているみなが楽しめる装備が用意されているのだ。 

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ダッシュボード全体がモニターのような「スーパースクリーン」もオプション設定。写真:筆者

ドライバーのためにはダッシュボード全体がガラスで覆われたような「スーパースクリーン」がオプションで選択できる。

ここには10.25インチのドライバー用ディスプレイと14インチのセンターディスプレイ、さらに助手席に座る人のためにも14インチのディスプレイがはめこまれている。

助手席用モニターでは、オンラインでつなげば、YouTubeの映像をはじめ、各種の音楽やデータ配信サービスを楽しめる。

ユニークなのは、車内用カメラで、ドライバーがそちらを見ようとすると画面がブラックアウトする“安全”機能も盛り込まれていることだ。

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力強い幅広のトラック(左右輪の幅)を持ち、走破性の高さもうたわれている。写真:筆者

インフォテイメントシステムは、MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザーエクスペリエンス)」で動く。会話型の音声入力とAIを組み合わせた最新のオペレーティングシステム(OS)だ。

「このOSは、GLBを知性を持ったパートナーにしてくれます。ドライバーとともに考え、学び、進化していきます」(プレスリリース)

現時点で、日本での価格と導入時期は未定、とメルセデス・ベンツ日本ではしている。

メルセデス・ベンツ GLB 350 4MATIC with EQ Technology

全長×全幅×全高:4732×1861×1687mm
ホイールベース:2889mm
電気モーター 前後各1基 全輪駆動
システム最高出力:260kW
システム最大トルク:515Nm
駆動用バッテリー容量:85kWh
一充電走行距離(WLTP):521〜614km
0-100km/h加速:5.5秒
価格:未定 
https://www.mercedes-benz.co.jp/

小川フミオ

モータージャーナリスト

自動車を中心に活躍するジャーナリスト/ライター。自動車誌やグルメ誌の編集長を務めた後、フリーランスとして活動。新車の試乗記をはじめ、グルメ、ホテル、人物インタビューなど、多岐にわたるジャンルの記事を独自の視点で執筆し、雑誌やウェブメディアを中心に寄稿している。

小川フミオ

モータージャーナリスト

自動車を中心に活躍するジャーナリスト/ライター。自動車誌やグルメ誌の編集長を務めた後、フリーランスとして活動。新車の試乗記をはじめ、グルメ、ホテル、人物インタビューなど、多岐にわたるジャンルの記事を独自の視点で執筆し、雑誌やウェブメディアを中心に寄稿している。