Photo:Kanittha Meechoak/Shutterstock※写真はイメージですバンコク郊外の寺院で、女性が「間一髪」で救助される事件があり、世界中で大きく報道されている。
この女性はただ救助されたのではない。気付くのが遅ければ、何と焼かれてしまったかもしれなかったのだ。
棺の中からノック音——関係者が凍りつく
事件が起きたのは、バンコク近郊ノンタブリー県の寺院である。寺院では運ばれてきた遺体の火葬の準備が進んでいたが、棺の中からわずかなノック音が聞こえたのだ。
中に納められていたのは「死亡した」はずの65歳の女性。寺院関係者は、最初は「(ノック音は)気のせいかと思った」そうだ。しかし耳を澄ますと、確かに内側から音がする。驚いて棺のふたを開けると、女性はかすかに目を動かし、腕を震わせていたという。
寺院責任者は「数千件の火葬を見てきたが、亡くなったとされた人が目を覚ましたのは初めてだ」と証言している。現場は一時騒然となり、スタッフはすぐに救急搬送を手配した。
なぜ「死亡」と判断されたのか?
女性は北部ピッサヌローク県で兄弟と暮らしており、事件の2日前に容体が急変した。兄弟らは反応がなくなった女性を「死亡した」と判断した。彼女は死亡した場合に「臓器提供をしたい」という希望があったため、家族は病院に運ぼうとした。しかし病院側は「正式な死亡証明書がない」として受け入れを拒否。結果として女性は棺に納められ、火葬を引き受ける寺院に運ばれることとなった。
医師の診断は「重度の低血糖」
「まだ生きている」事が判明した女性は、急遽病院に搬送され医師による診断を受けた。医師らは、女性が心停止や呼吸停止ではなく、重度の低血糖状態に陥っていたと診断した。血糖値が極端に低下すると、意識を失い動かなくなるため、「死亡」と誤認されるケースは医療上ゼロではないという。
女性は処置を受けたのち容体は安定し、退院が許可された。救助のタイミングがあと数分遅ければ、状況はまったく違うものになっていただろう。
加え、最初に搬送された病院が「臓器提供可能」と判断した場合、どうなっていたのだろうか、という疑問もよぎる。臓器提供手術前に医師が診察し、この時点で救われた可能性もある。しかし誰もが女性の死亡を信じ、そのまま臓器提供に至ってしまった場合を想像すると恐ろしい。
火葬手続きの盲点
今回の事件は、「死亡した」と判断したのが医師ではなかったこと、火葬手続きの前にすべきだった「確認手続き」の空白を明確に示した。家族の判断のみで「死亡」とみなされ、医療的なチェックが行われぬまま火葬に進むケースは、制度上の盲点といえる。
幸運にもこの女性は救われたが、同様のケースが再び起こらないとは限らない。関係当局には、死亡確認の手続きや火葬前の再確認の義務化など、制度面の改善が求められるだろう。
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A 65-year-old Thai woman thought to be dead was found in a coffin moments before she was going to be cremated. Her family had brought her to a Buddhist temple after she appeared to stop breathing two days before.
— Sky News (@SkyNews) November 25, 2025
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'She must have been knocking for quite some time': Woman wakes up in coffin at crematorium
— Sky News (@SkyNews) November 25, 2025
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