世界で唯一現存する古代の七不思議・エジプトはギザの大ピラミッドとスフィンクスが見下ろす中で、とあるカップルが夢のような結婚式を挙げた。世界遺産を舞台にした豪華絢爛な結婚パーティーは世界的な話題となった。
実現まで2年もかけた壮大な計画
世界遺産で結婚式を開いたのは、投資銀行に務めるヴィヴェク・ナンダーさんと歯科医のモニカ・ナイアさんのカップル。二人は共にインド系で、英ロンドンでの学生時代に出会った。プロポーズは一緒にエベレスト登山をした後、二人のルーツであるインドで宮殿を借り切って行われたそうだ。
特別なプロポーズの次は特別な結婚式と考えた二人は、ピラミッドで盛大な式を執り行う計画を立てた。ヴィヴェクさんがロンドン・スクール・オブ・エコノミクス在学中にエジプトで築いた政府関係者とのコネクションがキーとなったものの、交渉は困難を極めた。料理やケーキ、会場の装飾、新婦のドレスやベールのカラーリング、スタッフが着用する服に至るまで、全てがエジプト観光・考古省の大臣の承認を経る必要があり、開催にこぎ着けるまで2年もかかったという。
結婚式の許可をもぎ取るのも大変だったが、会場の準備も困難を極めた。場所は常に観光客があふれる超有名な世界遺産のエリアだ。設営は観光客が立ち去る午後5時から翌朝6時までの間と決められ、10日間にわたって設営が行われた。
観光客を完全にシャットアウトして…
今年9月4日〜7日にかけ、エジプトでついに二人の結婚式が行われた。この4日間にわたる祝典には、世界中から180人のゲストが招待された。祝典はインド式で行われ、一日目はカイロの高級ホテルで、二日目は元エジプト王族が所有する宮殿を舞台に、派手で豪華な結婚パーティーが繰り広げられた。そして三日目、ついにギザの特設会場でパーティーが行われた。
この結婚式のために、会場となったピラミッド周辺は20時間にわたって完全に閉鎖された。これにより、普段なら大勢の観光客で溢れるこのエリアで、夫妻は思う存分ウェディングフォトを撮影することもできた。
スフィンクスの目と鼻の先に設置された特別会場では、夕方から明け方まで賑やかなパーティーが繰り広げられた。音楽やダンスが披露され、参加者は皆でランタンを空に飛ばした。夫妻はこの壮大な結婚式について、「魔法のようだった」と話す。
このときの様子がSNSにも投稿されている。ピラミッドとスフィンクスをバックに撮影されたロマンティックなウェディングフォトやパーティーの動画には、「非現実的だ」「すごいとしか言えない」「夢みたい」といったコメントが並んだ。
続く四日目はビーチでのリラックスしたパーティーだった。こうして四日にわたる華燭の典を終えた夫妻は、新婚旅行先であるポリネシアのボラボラ島に向かった。
二人の壮大な夢は終わらないようで、次は万里の長城で結婚5周年パーティーを計画中だという。
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ピラミッド前で行われた結婚式の様子
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