【イームズハウス再公開】山火事を乗り越えた名作住宅が始める、ケーススタディハウスの新たな実験

  • 文:稲石千奈美
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WEST COAST 西海岸/アメリカ

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当時のままのリビングルーム。ふたりのデザイン哲学や生活が息づいている。革新的なアプローチでガラスや鉄を取り入れ、吹き抜けの空間には収集した民藝品が並ぶ。 

延焼こそ免れたものの、今年の山火事で深刻な煙害を受けたミッドセンチュリー建築の名作イームズハウス(ケーススタディハウスNo.8)。レイ&チャールズ・イームズが愛した自邸は半年の修復を終え、これを機に非公開だったアトリエも一般公開が始まった。

またイームズ財団は被災経験を機に、気候変動に対応する住宅の在り方を探るNPO「ケーススタディ : アダプト」と連携、第一弾プロジェクトとして山火事で家を失った施主とLAの建築事務所10社が16件の住宅設計を進めている。かつて希望に満ちた実験的住宅建築を提唱したケーススタディの精神を現代の課題に重ね、環境と暮らしの再生を建築の力で試みる。

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ユーカリの木に囲まれたイームズハウス。見学は公式サイトから予約。The exterior of the Eames House, as photographed by Chris Mottalini, 2025. © 2025 Eames Office, LLC. All rights reserved.