【ウイスキーのような日本酒】オークと杉が香る。「Gekkeikan Studio」から生まれた新作「no.6」の余韻

  • 文:Pen編集部
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「Gekkeikan Studio」は、試作段階の日本酒を共有し、人々の声を次の開発へつなぐ実験的プロジェクト。既成概念に囚われない自由な発想から、未来の日本酒を発見していく試みだ。深みと時間を感じさせる「no.6」は、11月21日より限定中。

京都・伏見に生まれた400年の酒蔵、月桂冠。伝統を守りつつも、そこには常に“革新”への志があった。2021年に立ち上げられた「Gekkeikan Studio」は、既成概念に縛られない自由な酒づくりに挑む実験室だ。過去に「no.1」から「no.5」までのスタイルを世に送り出し、日本酒の可能性を広げてきたこのプロジェクトに、「木材と日本酒の香りの調和」をテーマにした新たな一杯「no.6」が加わった。

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「no.6」のボトルには、杉の葉を思わせるラベルが。手書き風の「no.6」の文字は、まるで研究室のメモのように、開発の自由と創造性を伝える。

ベースとなるのは、糖質ゼロの“超辛口清酒”。そこに、アメリカンホワイトオークと国産杉という性質の異なる2種の木材で仕立てた樽の香気が、絶妙に馴染む。

口に含むと、まずオーク由来のまろやかな甘みがふわりと広がる。杉の清らかな香りが鼻腔を滑り抜け、最後には鋭く切れる辛口の輪郭があらわに。まるで時間が刻まれたような、層のある味わいが魅力だ。木の甘香は、直火で焼き付けた樽(チャーリング)によって引き出されたバニラやカラメルのニュアンスを纏い、ウイスキーのような重厚さと、日本酒の繊細さが共存する。

温度が変わるたび、酒の顔がほのかに揺らぐのもユニーク。常温ではバランスよく穏やかに、ぬる燗にすれば木の甘香が静かに立ち上がり、ロックにすれば透明感と木の輪郭が鋭く浮かぶ。

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京都市伏見区にある月桂冠総合研究所には、最新鋭の研究・検査設備が揃う。

「Gekkeikan Studio」の興味深さは、実験を繰り返すことで“偶然を必然に変える”ところにある。「no.6」もまた、桜、栗、水楢……あらゆる木材を試し、数十のサンプルを精密分析にかけた末にたどりついた。オークと杉の組み合わせは、異なる分子の香気成分が奏でる重層的な余韻を実現させ、「酒が時間を携え、記憶とともに響く」ことを目指した挑戦だ。

伝統に根ざしながらも、日本酒の既成概念に革命を起こすこの一本を、味わってみてはいかがだろうか。

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「Gekkeikan Studio no.6」720mL ¥3,300 ※700 本限定

Gekkeikan Studio

www.gekkeikan.co.jp/gekkeikan-studio